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セウォル号、救助失敗から「外圧」まで再び究明…ファン・ギョアン代表も含まれるか

登録:2019-11-07 09:55 修正:2019-11-08 15:01
“解明されていない疑惑”、再捜査どうなる 
 
2回の捜査「尻切れ」問題 
「これ以上究明が必要ないというところまで捜査」 
特捜団、すべてを調査するという意志 
 
ずさんな救助・DVR証拠改ざん疑惑など 
社惨委の資料を受け取りまず検討 
 
セウォル号惨事の責任者122人 
家族協議会が15日に告訴・告発することに 
捜査外圧疑惑、ファン・ギョアンも含む
セウォル号惨事家族協議会と市民たちが2日午後、ソウル光化門北側広場でセウォル号惨事の全面再捜査、責任者処罰、検察改革、積弊清算ための「国民告訴・告発人大会」開催。4・16セウォル号惨事家族協議会所属の母親たちがろうそくを掲げている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 5年前、304人の高校生・乗客とともに海へ沈んだセウォル号は、いまも解明されていない問題だ。惨事直後に構成された検・警合同捜査本部と特別捜査チームの捜査はずさんであり、2017年にずさん・外圧捜査疑惑を捜査した検察2期特別捜査本部は「尻切れ」の結果を発表した。真相調査のために2015年に設置されたセウォル号特別調査委員会は、朴槿恵(パク・クネ)政権の組織的な妨害に悩まされた。

 「惨事当日、どのようなことが起きたのか、どのような措置が行われたのか、これ以上究明が必要でないとされるまで捜査を行おうということだ。他の(検察)庁にあるものも全部集めて、これまで調査されたすべてのものを集めて捜査を行う」。6日、セウォル号惨事特別捜査団(特捜団)を構成して再捜査に着手した検察は、セウォル号の惨事の原因▽救助過程の問題点▽政府の対応及び指揮体系▽捜査外圧疑惑など、これまで提起されてきたすべての疑惑を調べると強調した。

■セウォル号の救助対応は適切だったか

 特捜団はまず最初に「加湿器殺菌剤事件及び4・16セウォル号惨事特別調査委員会」(社惨委)の記録をもらい受け、検討に乗り出す予定だ。社惨委はセウォル号特別調査委員会を受け継ぎ、昨年3月から真相究明活動を展開してきており、先月31日には「救助・捜索に関する中間調査結果」を発表した。

 社惨委の中間調査結果によると、海洋警察はセウォル号惨事当日、脈のある犠牲者を海上で発見しながらもヘリコプターではなく船で移送し、犠牲者が死亡したことが明らかになった。犠牲者を救急ヘリで搬送したなら20分以内に病院に到着が可能だったが、当時現場にいたヘリは犠牲者ではなく海洋警察庁長を乗せた。結局4時間41分後に病院に到着した犠牲者は、ついに命を失った。社惨委は「惨事当日、大多数の乗客に対する救助捜索と発見、後続措置が遅れるなど、全般的な問題点が確認された」と説明した。

 特捜団は、ソウル中央地検刑事部に割り当てられた「セウォル号DVR証拠資料改ざん疑惑事件」も取り上げ、捜査する方針だ。社惨委はこれに先立つ4月、「海軍がセウォル号惨事当時DVRを回収しながら撮影した映像の中のDVRと、検察が確保したセウォル号のDVRが違う」として、すり替え疑惑を提起し、検察に捜査を依頼している。デジタル映像貯蔵装置であるDVRには、セウォル号の船内外の状況を把握できる64個の閉鎖循環テレビ(CCTV=監視カメラ)の録画映像の記録が入っており、セウォル号の急な針路変更と沈没当時の状況を把握する主要証拠物と見なされてきた。

■セウォル号捜査への外圧疑惑も捜査対象

 4・16セウォル号惨事家族協議会が今月15日にセウォル号惨事の責任者122人を告訴・告発することによって、ファン・ギョアン自由韓国党代表も特捜団の調査対象となるものとみられる。122人のリストには朴槿恵前大統領とキム・ギチュン元秘書室長、当時法務部長官だったファン代表などが含まれている。

 特にファン代表は、2014年の法務部長官時代、セウォル号の捜査に圧力を行使したという疑惑が浮上している。当時、検警合同捜査本部は事故後の救助過程の問題点を捜査するため、光州地検に「海洋警察捜査専担チーム」を設置した。大統領府はセウォル号事故が静かに処理されることを望み、ファン代表は法務部の検察局長と刑事企画課長を通じて「海洋警察123艇長に業務上過失致死の容疑を適用するな」と捜査チームを圧迫したというものだ。検察庁法上、法務部長官は検察総長のみを指揮・監督することができ、法務部の幹部らが最高検察庁や地検に指示し調整するのは違法だ。それでも捜査チームが海洋警察123艇長を業務上過失致死容疑で在宅起訴すると、ファン代表はピョン・チャヌ光州地検長を呼び、激しく叱責した疑いがある。セウォル号捜査への外圧疑惑は、「国政壟断事件」を捜査した検察の特別捜査本部(特捜本)も調査したが、特捜本はファン代表ら主要当事者は調査せず、捜査を終えた。

 検察による捜査着手の発表後、社惨委は「セウォル号惨事に関連して提起された疑惑が多く、資料も膨大だ。主要な関係者に対する公訴時効も迫っている。今後、社惨委と検察が常時協力体制を整え、真相究明に万全を期す必要がある」と明らかにした。懸念の声もある。社惨委の関係者は、「検察では何の事前協議もなかった。事件が膨大で社惨委側と様々な議論が必要とみられるが、特捜団が急造されたのではないかという懸念も出ている」と語った。

ファン・チュンファ、クォン・ジダム、チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/916065.html韓国語原文入力:2019-11-07 02:43
訳C.M

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