本文に移動

午前0時すぎまで対峙…「改革法案」ついにファストトラックに

登録:2019-04-30 07:48 修正:2019-04-30 17:56
公捜処・捜査権調整案、司法改革特委を通過 
選挙法改正案、政治改革特委を通過…4党合意から一週間
29日夜、国会政務委会議室で開かれた政治改革特別委員会に投票用紙が置かれている//ハンギョレ新聞社

 与野党4党が合意した政治・司法改革法案が千辛万苦の末にファストトラック(迅速処理対象案件)に上がった。第20代国会の宿願と言われていた改革課題が、はじめて立法の軌道に乗ったのだ。22日、自由韓国党を除く与野党4党が合意案に署名した後、一週間ぶりのことだ。その間、国会はもみ合いや会議場の封鎖など“動物国会”の論議に包まれ、政治改革の必要性を逆説的に示した。韓国党は与野党4党のファストトラックの採決処理に強く反発しており、しばらくは与野党の対立はさらに激しくなる見通しだ。

 国会司法改革特別委員会と政治改革特別委員会は、29日午後10時50分にそれぞれの全体会議を開き、ファストトラック指定に必要な所属委員の5分の3以上の同意を経て、選挙制改革案と2つの高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置法案、警察・検察捜査権調整案を迅速処理案件に指定した。司法改革特委では日付が変わる直前の午後11時55分に、政治改革特委では翌日の30日午前0時33分に採決を通じて可決された。

 特に司法改革特別委員会はこの日、公捜処をめぐる与野党4党が合意した法案と、正しい未来党のクォン・ウンヒ議員が代表発議した法案二つをいずれもファストトラックに指定した。二つの特別委員会ではファストトラックの指定を採決しようとする共に民主党など4党と、これを阻止しようとする韓国党および正しい未来党の一部がお互いを「憲政蹂躙勢力」と批判し、国会のいたるところで対峙した。辛うじて開会した後も、韓国党の「独裁打倒」のスローガンが続くと、イ・サンミン司法改革特委委員長は秩序維持権を発動して退場を要請したりもした。これに先立ち、韓国党は25日、正しい未来党が司法改革特委のオ・シンファン、クォン・ウンヒの2人の委員をいずれも(特別委員会から)辞任させたことをめぐり「国会法違反」などと主張し、会議場をこの日まで封鎖してきた。

 韓国党の物理的阻止に遮られ、「辞任・補充選任論議」の後に正しい未来党内の反発が大きくなり、揺れていたファストトラックは29日、辞任したクォン議員の代表発議案をファストトラックに一緒に上げることで民主党をはじめとする与野党4党が同意し、ようやく出発することができた。

 正しい未来党のキム・グァニョン院内代表はこの日午前、「既存の合意案と同時にファストトラックに指定しようという提案が受け入れられれば、国会司法改革特委・政治改革特委でファストトラックの手続きを進める」とし、「正しい未来党の公捜処設置法案」を同時に司法改革特委に上程しようと提案した。クォン議員を辞任させる過程で党内の反発が強かっただけに、クォン議員の立法提案の趣旨を生かして、党内部の対立を収拾しようという趣旨だった。

 残りの三党もファストトラック指定に「キャスティングボート」を握っている正しい未来党の内部事情を考慮して同意した。日程どおり改革法案を処理することが急務だった民主党が、正しい未来党の提案を受け入れた。民主平和党は2つの公捜処法案を同時にファストトラックにあげることに反対する立場だったが、司法改革特委の開議前に開かれた議員総会を通じてファストトラックの指定と国会正常化がさらに急務だということで意見をまとめた。

 韓国党は激しく反発した。ナ・ギョンウォン院内代表は「一週間の長い闘争の過程で、こずるい手段と便法、不法でファストトラックを貫こうとする彼らの目標はただひとつ、左派の長期執権プランのためのものだ」と非難した。

 これに先立ち、韓国党とオ・シンファン正しい未来党議員らは25日、憲法裁判所に委員の辞任・補充選任に対する効力停止仮処分を申立てるとともに、権限争議審判を請求したことがある。与野党の対峙の過程で告発やそれに対する告発が相次いだため、今回の対立は長期間続く可能性が高い。

 今回のファストトラック指定は、昨年末、正しい未来党、平和党、正義党の野党3党が「民心をそのまま反映する新しい選挙制度づくり」を要求し、連動型比例代表制の導入を求めたことから始まった。昨年12月15日、ナ・ギョンウォン韓国党院内代表などを含めた与野党5党の院内代表らは「連動型代表制導入に向けた具体的な案を積極的に検討し、選挙制改革法案づくりと同時に、権力構造改編に向けたワンポイント改憲論議に着手する」という合意文に署名した。しかしその後、韓国党が「比例代表制廃止」を党の方針として掲げ合意を破った。韓国党を除く与野党4党は選挙制改革法案を含め、公捜処設置法案と検察・警察捜査権調整案を“パッケージ”でまとめることに合意し、これらのパッケージ法案をこの日、ついにファストトラックに載せた。

チョン・ユギョン、チャン・ナレ、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/892025.html韓国語原文入力:2019-04-30 00:36
訳M.C

関連記事