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[社説]単なる既得権守護を「反独裁闘争」と主張する自由韓国党

登録:2019-04-29 08:21 修正:2019-04-30 07:51
自由韓国党のファン・ギョアン代表と議員たちが今月27日、ソウル光化門広場で行われた集会で、「独裁打倒、憲法守護」を全面に掲げて大統領府に向かって行進している/聯合ニュース

 自由韓国党が27日に開かれた光化門(クァンファムン)集会で、「独裁打倒、憲法守護」を全面に掲げた。ファン・ギョアン代表は「野蛮行為を国会で阻止する正義の闘争を韓国党が行っている」とし、「子どもたちが金正恩(キム・ジョンウン)のような独裁者の下で生きていくことのないよう決起すべき時」だと叫んだ。ナ・ギョンウォン院内代表は「左派独裁を打倒し、自由民主主義を守ってみせる」と述べた。国会を乱闘の場にしておいて、それを反独裁闘争と主張するのは、恥知らずの強引なこじつけであり、居直りに過ぎない。

 自由韓国党は与野党4党の選挙法改正案、高位公職者の犯罪捜査処法、警察・検察の捜査権調整法案の迅速処理案件(ファストトラック)の指定が「左派独裁の陰謀」だとし、4日間会議場を封鎖したまま、国会先進化法を無用の長物にした。それでも、ナ院内代表は28日、記者会見を開き、「我々は違法に抵抗するため、座り込みをしただけだ。法的に問題はない」と主張した。とんでもない自己合理化だ。自由韓国党が国会会議場を封鎖し、議案課を占拠したまま、家具・施設を壊して法案を奪取・破損しただけではなく、正しい未来党のチェ・イベ議員を監禁したことを国民ははっきりと見てきた。

 ファストトラックは2012年、朴槿恵(パク・クネ)当時セヌリ党非常対策委員長提案で導入された国会先進化法に明示した合法的な手続きだ。2013年には会議妨害罪は「5年以下の懲役、1千万ウォン以下の罰金刑」、財物損壊、書類の損傷などの行為は「7年以下の懲役、2千万ウォン以下の罰金刑」で厳しく処罰する処罰規定も設けた。自ら作った法を無力化しただけでなく、「正義の闘争」を云々しながら合理化するのは自家撞着である。

 自由韓国党は違法行為を正当化するため、与野党4党の選挙法改正案が「与野党の合意の慣行」を破ったと主張している。これまた政治扇動だ。自由韓国党と共に民主党は選挙法の改正に消極的に対処していたが、野党3党が座り込みに入ったことを受け、昨年12月15日「連動型比例代表制度の導入」などが盛り込まれた与野党5党合意文に署名した。ナ院内代表はその合意文に署名した当事者だ。しかし、その後も消極的な態度を貫いた末、与野党4党が「地域区225議席+比例代表75議席」という圏域別の連動型比例代表制に合意したことを受け、比例代表をなくす案を提示するなど、協議に応じなかった。さらに、与野党4党案によると、共に民主党と自由韓国党いずれも議席数が減少する。共に民主党内部でもソウルと全羅道地域の選挙区が大幅に減るとして、不満の声が上がっているが、有権者の選択を議席数にしっかりと反映すべきという国民的な要求に与党の共に民主党が一歩引いた側面もある。

 選挙法改正案をファストトラックに指定した後も、常任委員会で180日、法制司法委員会で90日など、最長330日間の交渉を通じて、いくらでも自由韓国党の立場を反映することができる。自由韓国党の行為は反独裁闘争ではなく、議員らのポストを死守するための、第1野党の既得権闘争に過ぎない。自由韓国党は違法行為を合理化しようと国民を欺瞞する政治扇動をやめるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/891850.html韓国語原文入力:2019-04-28 19:19
訳H.J

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