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会議場を封鎖し法案書類を奪い…韓国党の妨害で国会が修羅場に

登録:2019-04-26 09:17 修正:2019-04-26 16:42
先進化法も無用の長物 
「オ・シンファン→チェ・イベ」辞任・補充選任が決裁されると 
チェ議員、司法改革特別委に出席できないよう「監禁」 
会議室のドア塞ぎ、法案回付の妨害も
チェ・イベ議員室を占拠した自由韓国党議員らが25日午前、正しい未来党指導部が司法改革特別委委員をオ・シンファン議員からチェ・イベ議員に交代させる辞任・補充選任をファックスで提出すると、議員会館のチェ・イベ議員室を訪れ会議出席を阻止している=ソウル/聯合ニュース

 「もみ合いをやめよう」と作った国会先進化法も無用の長物だった。25日、国会は選挙法改正案と高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置法案、警察・検察捜査権調整関連法案のファストトラック(迅速処理対象案件の指定)を控え、先進化法以前の“動物国会’の様相に戻った。与野党4党合意案がファストトラックに載るのを防ぐ手段がないと判断した自由韓国党が、事実上「物理的封じ込め」に入ったからだ。

■法案「受付」を絶対に阻止せよ

 自由韓国党がファストトラックを阻止するために火力を集中させたのは、国会の議案課事務室だった。個別委員会でファストトラックの指定手続きを踏むには、当法律案が委員会に回付されなければならない。「回付」の全段階が「受付」だ。

 共に民主党は午後6時頃から法律案受付を試みた。だが、議案課事務室に集まった自由韓国党議員の妨害で何度も失敗した。結局、ファクスでの提出を試みたが、自由韓国党の議員がファックスで入ってきた法律案の束を奪い、失敗に終わった。

 午後6時45分に国会司法改革特別委員会所属の共に民主党議員らが法案提出に向けて議案課を直接訪れた。議員が到着すると、待機していた韓国党の議員が力で押し出し、議案課事務室と廊下はパニック状態になった。

 ムン・ヒサン国会議長は与野党4党と韓国党の対峙で議案課事務が行えないという報告を受け、警護権を発動した。警護権が発動された直後の午後7時35分頃、共に民主党議員は再び議案課に接近した。自由韓国党は議員や補佐陣を大挙動員し、議案課の出入り口をすべて封鎖した。一部の人員は議案課事務室の中に入り、ドアにバリケードを築いた。ナ・ギョンウォン自由韓国党院内代表は「人間の鎖」を作った議員たちの後ろに上がり「独裁打倒、憲法守護」などのスローガンを叫び、愛国歌も歌った。119救助隊が出動し、廊下で待機するほど状況が危うくなった。午後8時30分頃、民主党議員たちが3回目に試み、再び激しいもみ合いが起きた。

 国会先進化法は、国会の会議を妨害する目的で会議場やその付近で暴力行為などをしてはならないと明示している。暴行や逮捕・監禁、脅迫、住居侵入・立ち退き拒否、財物損壊の暴力行為を通じて会議場の出入りを妨害したり、公務執行を妨害した場合、5年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金に処することができる。また、公職選挙法は国会会議妨害罪で500万ウォン以上の罰金刑を言い渡された場合、最低5年間被選挙権が剥奪されるように規定している。

 自由韓国党議員たちの封鎖で委員会の開催が難しくなると、共に民主党のホン・ヨンピョ院内代表は緊急会見を開き、「法を守らなければならない第1野党の議員たちが(国会法を)完全に無視し、乱闘場の暴力事態をつくったことについて、民主党は容認しない。必ず今日の不法行為、暴力行為に対して告発し、それに対して最後まで責任を問う」と述べた。

自由韓国党議員らが25日夕方、国会の議案課前で検警捜査権調整のための刑事訴訟法・検察庁法改正案を提出しようとする共に民主党議員らに抗議している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

■007作戦のように行われた辞任・補充選任

 同日の“動物国会”の始まりは「辞任・補充選任」だった。正しい未来党のキム・グァニョン院内代表はこの日午前9時35分、司法改革特別委員会委員をオ・シンファン議員からチェ・イベ議員に交代するよう、辞任・補充選任申請書を国会議事課に提出した。通常は直接提出するが、前日から正しい未来政党系議員が議事課事務室を占拠しており、ファックス提出に代えた。ムン・ヒサン国会議長は1時間30分後に決裁した。正しい未来党系議員らはこれに先立ち、憲法裁判所に辞任・補充選任の許可に対する効力停止仮処分申立てとともに、権限争議審判を請求した。

 難航は続いた。政治改革特別委員会と司法改革特別委員会を開くために与野党4党が忙しく動いていたとき、正しい未来党所属の司法改革特別委委員のクォン・ウンヒ議員も急きょ変更された。クォン議員は「キム院内代表が司法改革特別委の交渉を強制的に中断し、辞任・補充選任の提出を一方的に進めた。みんな理性を失ったようだ」と語った。しかし、キム・グァニョン院内代表はラジオに出演し、「本人が法案の内容について多少見解が異なると言い、辞任の意思を述べたため、辞任・補充選任の手続きを断行した」と説明した。

■会議の出席を阻止せよ

 自由韓国党議員10人余りは、早朝から司法改革特別委に新たに補充選任されたチェ・イベ議員が法案の文案調整会議に参加するのを妨害した。チェ議員は結局、午後1時10分頃、自分が監禁状態にあると直接112に通報した。警察と消防官が出動したが、自由韓国党議員の妨害で事務所の外に出られない状況が続くなか、チェ議員は窓の隙間から顔を出して記者会見を開いた。彼は「4時間以上、韓国党議員らよって外に出られない。監禁された状態だ。必要であれば窓を破ってでも出なければならないと考えている」と話した。チェ議員が6階の事務室の窓から脱出する状況に備え、一時は発砲スチロールが建物の下に敷かれたりもした。チェ議員は自由韓国党議員たちが道を開けた午後3時15分すぎになって、ようやく事務室を出ることができた。チェ議員を「監禁」した自由韓国党議員の行為は国会法違反になりうる。刑法上監禁罪が成立する可能性もある。

 自由韓国党の“会議妨害”はあちこちで繰り広げられた。自由韓国党は、政治改革特別委と司法改革特別委が開かれるだろうと予想される本庁の会議室数カ所にも議員20~30人を送り、出入り口を封鎖した。

 同日の自由韓国党の力の行使をめぐり、違法の素地が多分にあるだけでなく、国会先進化法の趣旨に真っ向から反する行為だという批判が出ている。西江大学現代政治研究所のソ・ボッキョン研究員は「先進化法を作る際、『国会内の暴力行為を厳しく取り締まるべきだ』と強く要求したのは今の韓国党議員だった。『会議妨害罪』新設を主導した彼らが、今になって物理的な力を行使するのは矛盾だ」と批判した。

キム・ウォンチョル、ソ・ヨンジ、チャン・ナレ、イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/891570.html韓国語原文入力:2019-04-26 00:48
訳M.C

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