本文に移動

PM2.5対策のための人工降雨実験、「雪・雨は降らなかった」

登録:2019-01-26 09:44 修正:2019-01-26 16:56
気象庁「成否の結果は1カ月後に」
気象航空機が人工降雨を作るための燃焼弾を散布している=気象庁提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が西海上で微細粒子状物質(PM2.5)を減らすための人工降雨実験を予定通り進めたが、陸上では有意な変化が観測されなかった。詳しい実験分析結果は来月発表される。

 25日午前、気象庁は西海上で気象航空機(キングエア35)を利用して人工降雨を発生させた後、PM2.5の低減効果を分析する実験を実施した。人工降雨は、雲の中に「雨粒の種」であるヨウ化銀や塩化ナトリウムなどの人工降雨物質をまいて雨を降らす技術をいう。政府レベルで人工降雨実験とPM2.5低減効果分析が同時に行われるのは今回が初めてだ。

 気象庁はこの日午前10時13分ごろから約1時間、気象航空機で人工降雨物質であるヨウ化銀の燃焼弾24発を撒布し、気象観測船舶(気象1号)と移動観測車両、都市大気測定網などの気象装備を通じて、大気中のPM2.5濃度の変化を連続観測した。政府は今年、このような人工降雨実験を約15回行う予定だ。

 詳しい実験結果は1カ月後に発表される予定だが、この日、肉眼で感知された変化はなかった。全羅南道霊光郡(ヨングァングン)の移動観測車両で弱い霧雨が感知されたが、ラジオゾンデの観測資料を確認して精密分析が必要だ。気象観測船では、雪や雨を感知できなかったが、雲の発達は肉眼で確認した。しかし、雲ができたのが人工降雨の効果なのかは追加分析が必要だ。

 人工降雨を利用したPM2.5低減効果は検証されておらず、こうした実験が「現代版雨乞い」と変わらないという批判もある。実際、中国やタイなどで人工降雨を活用してPM2.5の低減を試みたが、公式な成功事例はまだない。この日の実験に先立ち、気象庁のキム・ジョンソク庁長は、「人工降雨実験は干ばつに備えるために行っていたが、今日のイシューであるPM2.5も解決できるのかを知るため合同実験を進める。実験は一度ですべて終わるわけではない。成功するかどうかの前に韓国でこうした実験を通じて良い技術を蓄積できるという点で応援してほしい」と述べた。

 これまで人工降雨は干ばつ解消などのために研究されてきた。気象庁は、2008年から2017年にかけて、賃貸航空機を使って計42回の小規模な実験を行った。昨年からは政府が購入した気象航空機を活用して、本格的に人工降雨実験を行ってきた。韓国の人工降雨の技術力は基礎研究段階であり、最高水準である米国に比べて73.8%、技術格差は6.8年と評価される。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/879942.html韓国語原文入力:2019-01-25 20:15
訳M.C

関連記事