「マスクが必要な方は持って行ってください」
14日朝7時ごろ、京畿道河南(ハナム)とソウルを結ぶ30-3番のバス運転手は、使い捨てマスクがいっぱい入った箱を乗客に渡した。マスクを持ってこれなかった乗客は、バス運転手が渡したマスクを一つずつ取って座席についた。バスはぼんやりかすむPM2.5(微小粒子状物質)を突っ切って道路を走った。バス会社関係者は「京畿道でPM2.5が深刻なとき、バス会社に配布を要請する場合がある。今日もPM2.5が深刻だったので京畿道が会社にマスクを支給し、乗客に配布した」と説明した。
2日間、ソウルや京畿道など首都圏でPM2.5非常低減措置が実施された中、市民らはマスクをつけ出勤しながら、できるだけ外出を控えている。止むを得ないことで外出しても急いで家に帰った。ソウル光化門広場で会った就職準備生のJさん(24)は「近くで勉強会をして家に帰る途中だ。PM2.5がひどくて中止しようという話も出たが、始めたばかりの勉強会なので予定通り行うことにした。勉強会のメンバーは皆マスクをして出てきた。ふだんは勉強会を終えて一緒にご飯を食べるが、今日はPM2.5のためなのか皆早く帰る雰囲気だった」と話した。ソウル光化門広場で会った中国人のチャンヘさん(33)は、「今日はソウルの方が北京より空気が良くないようだ。12日から韓国旅行中なのに、PM2.5がずっとひどくて残念だった」と語った。
子どもを持つ親の心配も大きい。ある「ママカフェ」には「今月は(PM2.5が)最悪の日が多く、そういう日には保育園に行かせなかったが、結局3回しか登園できなかった」とし、「(政府の保育料支援基準である)11日を早くも満たせない」と心配するコメントもあった。このほかにも「アレルギー性鼻炎のためPM2.5が悪くなると鼻水が出て咳が出るので保育園の登園を悩んでいる」「マスクにマフラーをぐるぐる巻いて登園させたが、気になる」など、PM2.5を心配するコメントが「ママカフェ」に多く上がった。
PM2.5のため、犬の散歩もはばかる雰囲気だ。ソウルのトゥクソム漢江公園で会った「ドッグウォーカー」(犬の散歩をする仕事)のPさん(36)は「仕事なので客が取り消さなければ犬を散歩するために出なければならない。1日に5匹ほど散歩させるが、PM2.5が多い日は飼い主が犬を散歩させないことが多い。今日も散歩に出かけた犬は一匹もいなかった。同じ時間帯によく会う方たちも、ここ数日会っていない」と話した。プードルを連れて散歩に出てきたAさんも「PM2.5が心配だったが、犬が出たがったので仕方なく出てきた。普段は2時間ほど散歩するが、今日は1時間だけ散歩して家に帰ろうと思う」と話した。ソウル江南区(カンナムグ)のあるペット幼稚園の関係者は、「普段は野外散歩プログラムがあるが、PM2.5がひどい日は飼い主が野外活動を望まないので室内活動に変える。犬用室内ランニングマシーンを使う」と説明した。
環境部が運営する大気環境情報ホームページ「エアコリア」によると、14日現在、嶺東、全羅南道、釜山、慶尚南道、済州地域を除く大半の地域のPM2.5濃度が「非常に悪い」レベルだという。15日にも大半の地域が「悪い」レベルのPM2.5濃度を示すと予想される。