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日本、レーダー探知音を公開…国防部「実体の分からない機械音にすぎず」

登録:2019-01-22 06:04 修正:2019-01-22 07:32
日本、低空飛行とレーダー照射めぐる対立に一方的な幕引き宣言 
防衛省、声明で「協議を続けるのは困難と判断」 
「韓日防衛協力の継続へ向けて真摯に努力していく」と表明 
事実関係で韓国の主張を覆すことは難しいと判断したもよう 
国際世論戦まで繰り広げた紛争の記憶は韓日関係のわだかまりに
日本防衛省が今月21日、ホームページで公開したレーダー探知音ファイル。防衛省は海上自衛隊の哨戒機が捉えたレーダー探知音とし、「火気管制用レーダー探知音」と「捜索用レーダー探知音」ファイルを掲載した=日本防衛省ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓国駆逐艦(広開土大王艦)が日本の哨戒機に向かって火気管制用レーダー(STIR)を照射したと主張してきた日本政府が21日、一方的に「協議中断」を宣言した。確実な物証を提示できない状況で、韓国の一貫した論理を覆すことができないと判断し、ひとまず手を引いたものと見られる。

 日本防衛省は同日午後、ホームページに「韓国レーダー照射事案に関する最終見解について」と題した声明を発表し、「(韓国が)相互主義に基づく客観的かつ中立的な事実認定が困難であるため、これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に資するとは考えられない」とし、「韓国側との協議を続けていくことはもはや困難であると判断する」と明らかにした。防衛省は「日韓・日米韓の防衛協力は東アジア地域における安定的な安全保障環境を維持するために極めて重要だ」としたうえで、「日韓・日米韓の防衛協力の継続へ向けて真摯に努力していく考えだ」と付け加えた。

 日本防衛省の声明は、従来の主張を撤回しないものの、これ以上論争はしないという意思表示と見られる。国防部内では日本が“幕引き”を図っていると分析している。一部では、当初日本の主張が哨戒機の錯誤や誤作動から始まった可能性も取り上げられている。当時、北朝鮮漁船の救助に乗り出した韓国の海洋警察も、火気管制用レーダーと類似した周波数を持つレーダーを稼動したという。今月14日にシンガポールで開かれた実務協議に、日本側のレーダー専門家が出席しなかったことも、事実関係の究明に自信が足りないことを示しているという指摘もある。

 日本防衛省は同日、声明と共に哨戒機が捉えたという「火気管制用レーダー探知音」と「捜索用レーダー探知音」ファイルを公開した。哨戒機は探知したレーダーの電磁波を音波に切り替える「レーダー警報受信機」(RWR)を備えている。しかし、国防科学研究所(ADD)のあるレーダー専門家は「日本が公開した探知音は機械音に加工されたもの」だとし、「一般的なレーダー警報受信機の音とは異なる」と指摘した。日本が公開したファイルには「一部、保全措置を講じている」という説明が付けられている。

 国防部は日本の声明に直ちに遺憾を示した。チェ・ヒョンス報道官は記者会見で、「日本側が提示した電磁波接触音は、私たちが求めた探知日時や方位角、電磁波の特性などを全く確認できない、実体の分からない機械音」としたうえで、「日本側が事実関係を検証するための協議を中断するとしたことに対し、深い遺憾を表明する」と述べた。チェ報道官は「今回の事案の本質は、人道主義的救助活動中の韓国艦艇に対する日本哨戒機の威嚇的な低空飛行であり、これに対する再発防止と日本側の謝罪を重ねて求める」と述べた。

 国防部は「韓国政府は強固な韓米連合防衛体制と共に、韓日安保協力強化のための努力は持続・発展させていく」と付け加えた。韓米日防衛協力を強調した日本防衛省の声明と軌を一にするものだ。韓日の対立を憂慮した米国の立場を反映したものと見られる。日本の主張に韓国が対抗し、国際世論戦にまで飛び火した紛争の記憶が、今後の韓日関係にわだかまりとして残ることになった。

ユ・ガンムン記者、ノ・ジウォン記者、東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/879323.html韓国語原文入力:2019-01-21 22:24
訳H.J

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