済州(チェジュ)海軍基地工事と関連し、江汀(カンジョン)村のクロムビ岩の発破に抗議する住民たちの海上進出を阻止するために警察が江汀浦を封鎖したことは、適法な職務執行ではないという最高裁判所(大法院)の最終判断が出た。警察の源泉封鎖に激しく抗議し、裁判にかけられた村の住民たちは無罪が確定した。
最高裁判所3部(主審ミン・ユスク最高裁判事)は2日、2012年に特殊公務執行妨害などの容疑で起訴されたチョ・ギョンチョル当時江汀村会副会長(元江汀村会長)ら江汀村の住民5人に無罪を言い渡した原審判決を確定したと発表した。
裁判部は「公務執行妨害罪は公務員の職務執行が適法な場合にのみ成立する。適法性に欠けた職務行為をする公務員に対抗し暴行や脅迫を加えたからといって公務執行妨害罪が成立するわけではない」とし、「警察の封鎖措置を適法な職務執行と見ることはできない」という1・2審の判断をそのまま受け入れた。
警察は、江汀村のクロムビ岩発破を10日後に控えた2012年2月26日、海軍基地工事現場であるクロムビ海岸で反対闘争を繰り広げた活動家ら16人を連行したのに続き、翌2月27日午前から大規模な警察力を動員して江汀浦への進入を源泉封鎖した。さらに、カヤックに乗って海洋汚染を監視し、海岸にいた活動家たちに食べ物と薬を渡そうとした江汀住民たちを警察が入り江で阻止したことで、衝突が起こった。
住民らは「海軍基地工事現場ではなく江汀の入り江でわれわれを阻止する理由は何なのか」と激しく抗議し、この過程で乱闘が起きた。警察は現場でチョ副会長ら住民5人を特殊公務執行妨害の疑いなどで連行して起訴した。
6年間続いた裁判では、当時の警察の公務執行が適法だったかどうかが争点になった。
1審の裁判部は、「源泉封鎖を事前に告知する時間がなく、生命が危うくなるほど差し迫った状況だったとは思えない。警察の入り江封鎖は具体的な職務執行要件を満たさないなど、適法な職務執行ではない。これに基づいた公務執行妨害の容疑も成立しない」として無罪を言い渡した。2審裁判部も1審の判断をそのまま受け入れ、検事控訴を棄却した。
最高裁は「犯罪予防のための警察官の制止措置は避けられない最小限度内でのみ行使されなければならない。目の前でそのような行為が起ころうとしているため直接制止すること以外には防げない切羽詰った状態である時のみ警察官の制止措置が適法な職務執行になりうる」とし、「このような点から見ると、当時の警察の封鎖措置が適法な職務執行と評価されないという原審判断には過ちがない」と判決理由を明らかにした。