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[ニュース分析]公益委員ら全員一致「解雇者の組合加入排除は不当」

登録:2018-11-21 10:49 修正:2018-11-21 16:31
ILO協約批准の公益委員案を見ると 
経済社会労働委員会、議題の論議のための基準点づくり 
ILOが数回廃棄勧告した条項を反映 
法外労組通知の根拠整備も提案 
 
労使推薦の公益委員も全員同意 
専門家らの幅広い共感が形成されたため 
使用者側の「ストの代替労働の認定」要求など 
労使の後続議論で核心争点になる見込み
民主労総の組合員らが先月12日午前、労使政代表者会議が開かれるソウル市新門内路のエスタワー前で「ILO核心協約批准と7大立法課題の年内処理を求める記者会見」を行っている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 20日、経済社会労働委員会傘下の労使関係制度・慣行改善委員会が国際労働機関(ILO)の核心協約批准に向けた最小限の立法課題を盛り込んだ公益委員合意案をまとめた。

 解雇された公務員や教員が労働組合をする権利保障に合意した公益委員案は、全国教職員労働組合の法外労組問題の解決の糸口となる見通しだ。解雇者の組合員資格を制限する教員労組法第2条は、2013年10月に朴槿恵(パク・クネ)政権が全教組に「法外労組」を通知した根拠だった。これは国際労働機関の「結社の自由委員会」から数回廃棄を勧告された条項だ。全教組は政権交代後、法外労組の職権取り消し処分を期待したが、文在寅(ムン・ジェイン)政府は難色を示してきた。今回の公益委員案を起点に、関連法の条項が改正されれば、法外労組問題は解決されるものと見られる。

 公益委員らは今回の案に、労組設立制度を「労組の自主性と民主性を確保する本来の趣旨」に合わせて整備すべきだという内容も盛り込んだ。労働組合法施行令第9条2項は、労働組合設立申告書を「下げ戻し」できるよう定めており、行政官庁の一方的な法外労組通知を可能にする制度だという批判を受けてきた。公益委員案は同条項を削除するよう勧告したものだ。名目上は「届出制」だが、事実上の「許可制」として運営されてきた実態が変われば、「労組を結成する権利」が拡張されるきっかけになる。

 同条項と関連して、学習誌教師や宅配便配達員など特殊雇用労働者の結社の自由の保障問題も改善される余地がある。特殊雇用労働者は事実上、労働者のように働くが、法的に個人事業者とみなされ、労働組合の設立に困難をきたしてきた。昨年、全国宅配連帯労組は雇用労働部から設立申告書を5回も返還された末に、申告の証明を受けた。法内労組になった後も、宅配業者は宅配連帯労組を認められないとして、行政訴訟を提起した。

 公益委員案は、委員会に参加する労使政以外の第3者がまとめた案という点で意味がある。利害関係の当事者でなく、労働分野の専門家らがまとめた公益委員案は、今後行われる核心協約の批准をめぐる議論の基準点になる。労使関係改善委員会のパク・スグン委員長は「労使が推薦した公益委員全員が合意文を全会一致で導き出した」とし、「専門家の間で幅広い共感ができたという点で、意味がある」と説明した。

 ただし、公益委員案が提出されたが、労使がまだ合意に至っていない課題は残っている。パク委員長は「経営界が核心協約と直接関係のないスト時の代替労働の許容や団体協約の有効期間の延長などを含めて議論することを要求してきた」と説明した。経営界の主張通りストの際に代替労働を認めると、労働組合のスト権を制限する結果につながりかねないため、議論を呼ぶものとみられる。これは来年1月まで続く労使後続議論の核心争点になる見通しだ。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/871079.html韓国語原文入力:2018-11-2021:29
訳H.J

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