チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長を首席代表とする対北朝鮮特別使節団は5日、平壌(ピョンヤン)で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に会い、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の親書を手渡したと、大統領府が明らかにした。
キム・ウィギョム大統領府報道官は同日夜の記者会見で、「訪朝特使団は今日(5日)金正恩委員長と会って、親書を手渡すと共に、意見交換を行った」と明らかにした。キム報道官は、特使団が誰と晩餐会をしたのかについては「確認されていない」とし、金委員長といつ、どこで面会したかについても、「まだ分からない」と答えた。ただし、特使団が金委員長と昼食を共にしたわけではないと述べた。特使団は同日、晩餐会の後、夜8時40分に平壌を出発し、夜9時40分にソウル空港に到着した。特使団の訪朝結果に関する国民向けブリーフィングは6日に行われると、キム報道官は発表した。さらに、大統領府はイム・ジョンソク大統領秘書室長の主宰で第3回南北首脳会談準備委員会を開く予定だ。文在寅大統領も準備委に出席する。
大統領府は20日を前後して平壌で2泊3日の南北首脳会談を開催することを北側に提案したという。大統領府の内外では、特使団と金委員長の面会が実現したこと自体が肯定的なシグナルだと見ている。マイク・ポンペオ米国務長官は7月初めの訪朝当時、金委員長と面会できず、先月には訪朝直前に日程を取り消した。そのため、今回の特使団の訪朝をきっかけに、北朝鮮の非核化と終戦宣言をめぐる朝米の膠着状態を解消できる突破口が切り開かれるかに関心が集まっている。大統領府関係者は「北朝鮮が特使団を手ぶらで帰したりはしないだろう」と話した。
これに先立ち、対北朝鮮特使団は同日朝7時40分にソウル空港を出発し、午前9時に平壌の順安(スンアン)国際空港に到着した。空港にはリ・ソングォン北朝鮮祖国平和統一委員長と統一戦線部関係者たちが出迎えたと、ユン・ヨンチャン大統領府国民疎通秘書官が明らかにした。特使団は高麗(コリョ)ホテルに移動し、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長とリ・ソングォン委員長と歓談を交わしてから、公式面談のために10時22分頃、面会場所に移動したと、ユン首席は伝えた。金正恩国務委員長との面会は、この時に行われたものと推定される。