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朝米交渉足踏み…文大統領、再び「仲裁者アクセル」を踏む

登録:2018-07-23 08:47 修正:2018-07-23 10:06
韓米の対話チャンネル相次ぎ稼動  
チョン・ウィヨン室長、ワシントンでボルトン補佐官と接触  
二カ月ぶりに訪米し情報共有  
カン・ギョンファ外相もポンペオ長官と会談し  
「終戦宣言の早期実現」に力点  
文大統領、シンガポールで「今年中に宣言」 
朝米の折衷点の模索を催促する動き
チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長が今月22日午後、米国を訪問した後、仁川国際空港に帰国している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が朝米の非核化交渉の膠着局面で、再び仲裁者の役割に乗り出している。朝米間の折衷点を模索し、交渉の動力と速度を高めようという意味が込められた行動と見られる。

 文大統領は20日、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長を米国ワシントンに派遣した。チョン室長がワシントンを訪問したのは5月4日以降二カ月ぶりだ。チョン室長は21日(現地時間)、対話相手のジョン・ボルトン大統領国家安保補佐官に会い、朝米の非核化交渉の進行状況と今後の計画などに関する情報を共有した。チョン室長は22日に帰国した後、記者に「朝米間の非核化交渉ができるだけ早いスピードで好循環的、成功的に推進されるよう、様々な案に関して非常に有益な協議をした」とし、「完全な非核化を通じた朝鮮半島の平和定着が韓米両国の共同目標ということを再確認した」と述べた。

 大統領府関係者たちは「チョン室長の訪米は、朝米間の非核化問題を進展させて壁にぶつかった状態を破る突破口を確保しようというもの」だとし、「文大統領が再び仲裁者の役割を積極的に模索している」と話した。チョン室長がボルトン補佐官と会った1日前には、カン・ギョンファ外交部長官が米国ニューヨークでマイク・ポンペオ米国務長官と会談し、非核化までは制裁を維持しなければならないということで意見の一致を見た。これに先立ち、大統領府は19日、板門店(パンムンジョム)宣言の履行推進委員会第3回会議を開き、南北が進めている各分野の後続措置の履行事項を点検した。

 文大統領が朝米、南北会談と関連した状況を点検し、米国との疎通を強化したのは、足踏み状態の朝米の非核化交渉の突破口を探るための動きと見られる。大統領府側は朝米交渉に進展がなく少なからずもどかしさを感じている模様だ。12日に文大統領がシンガポール・レクチャーで「(朝米)首脳が直接した約束を守らないなら、国際社会から厳重な審判を受けることになるだろう」とした発言は、このような雰囲気と無関係ではない。

 大統領府は「非核化前は制裁を維持」という韓米協力を維持するものの、早期終戦宣言の実現を通じて朝米間の信頼を築くことに力点を置くものとみられる。終戦宣言は平和協定の締結の前に実践できる政治的宣言として、北朝鮮が強く要求しており、ドナルド・トランプ大統領もやはり肯定的な態度を表明している。大統領府関係者は「チョン室長が、北朝鮮が強く要求する部分や不満を米国側に伝えた可能性もある」と話した。文大統領は12日、シンガポール訪問の際「板門店宣言で合意した通り、休戦協定締結65周年になる今年中の終戦を宣言するのが韓国政府の目標」だと語ったことがある。

 大統領府関係者は「チョン・ウィヨン室長がボルトン補佐官と終戦宣言問題について協議したかもしれない」と話した。しかし、米国が終戦宣言の前提条件として完全な非核化を主張する場合、説得の余地が少ないという点が大統領府の悩みだ。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/854375.html韓国語原文入力:2018-07-23 01:06
訳M.C

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