文在寅(ムン・ジェイン)大統領が再び米国を訪問する。21日午後に出発し、24日朝に戻るという1泊4日の強行日程だ。来月12日、シンガポールで行われる朝米首脳会談の成功の土台を築く韓米首脳会談のための「ワンポイント訪米」だ。
大統領府は18日、文大統領とドナルド・トランプ大統領が22日正午(現地時間・韓国時間23日未明)に米国ワシントンのホワイトハウスで4度目の首脳会談を行う予定だと明らかにした。ナム・グァンピョ大統領府国家安保室2次長はこの日のブリーフィングで、今回の韓米首脳会談の議題に関して「朝米首脳会談を約3週間後に控えているため、南北会談の成功を朝米会談の成功につなげるよう架け橋の役割をするものと期待する。両首脳は朝鮮半島の恒久的平和定着に向けた具体的な履行策を重点的かつ深く議論する予定」だとし、「北朝鮮が完全な非核化を履行する場合、明るい未来を保障する方策についても協議すると予想している」と付け加えた。
ナム次長は「文大統領は22日午前、米行政府の外交・安保政策を担当する主要人物らと会見することを皮切りに、トランプ大統領と陪席者なしで単独で会談した後、(両政府関係者が参加する)拡大会談を兼ねた昼食を共にする予定」と話した。大統領府関係者は、韓米首脳が会談前に簡単に挨拶と対話を交わす程度を越え、陪席者なしで本格的な「単独会談」をすることは異例だと説明した。
文大統領がトランプ大統領と陪席者なく本音を打ち明けて交わす対話は、朝鮮半島の非核化や北朝鮮体制保障をめぐる朝米間の立場の違いを狭め、両方の「利益バランス」を探ることに集中するものとみられる。非核化ロードマップに関連しては、米国がさまざまな要求措置を取り出しているが、これに対する相応の措置として北が要求する体制安全方案については特に話がなかったためだ。
文大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と合意した核や戦争の恐怖がない朝鮮半島構想を伝えながら、北朝鮮の非核化に相応する体制保障、経済支援策を具体的に議論し、恒久的な平和体制が構築された朝鮮半島が米国の利害にも合致することを説得することに焦点を合わせるものと予想される。
今回の韓米首脳会談は、逆説的にも最近、「平壌(ピョンヤン)発の冷ややかなムード」のために注目度が高まった。平昌(ピョンチャン)冬季五輪や4・27板門店(パンムンジョム)南北首脳会談を経て順調に進んでいた朝鮮半島情勢は、16日に北が南北高官級会談を突然延期したのに続き、「一方的な核放棄だけを強要しようとするなら、朝米首脳会談を再考せざるをえない」という「キム・ゲグァン外務第1次官談話」を発表した後も難関にぶつかった状態だ。朝米間の仲裁者である韓国の役割がより大きくなったものとみられる。
今回の韓米首脳会談の主要な議題は朝米首脳会談の成功戦略だが、両首脳は朝米首脳会談以降についても意見を交わすとみられる。南北首脳は、4・27板門店会談で「今年終戦宣言、平和協定への転換、恒久的平和体制の構築に向けた南北米3者または南北米中4者協議開催の推進」に合意している。
文大統領は首脳会談を終えた後、22日午後には駐米大韓帝国公使館を訪問した後、帰国の途に就く。1889年から1905年まで大韓帝国の米国外交の拠点だった駐米大韓帝国公使館は最近復元工事を終え、22日に開館式を行う予定だ。