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[社説]朝米首脳会談の成功は金正恩-トランプの決断にかかっている

登録:2018-06-02 09:50 修正:2018-06-02 10:17
1日午後(現地時間)、ホワイトハウスでトランプ大統領と面談した金英哲北朝鮮労働党対南担当副委員長兼統一戦線部長(左)が大統領執務室を出て、トランプ大統領と笑いながら対話している。トランプ大統領は記者たちに「会談でビッグディールがあるだろう」と話し、朝米首脳会談で成果があるだろうと展望した/聯合ニュース

 米国を訪問中の金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が、マイク・ポンペオ米国務長官とのニューヨーク会談に続いて1日(現地時間)、ワシントンのホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と面談した。金副委員長はトランプ大統領に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の親書を伝えた。これによって、一時は不透明の沼に陥っていた朝米首脳会談が本来の軌道を取り戻したと言える。

 金副委員長の今回の訪米は、明確な成果とともに課題も残した。まず成果の面から見れば、首脳会談の議題をめぐり朝米間で続いてきた“駆け引き”が一定の道筋をつかんだと言える。このような見方は、ポンペオ長官がニューヨーク会談の後「実質的進展」があったと明らかにしたことから確認できる。しかし、同時にポンペオ長官が「まだ多くの事が残っており、金正恩委員長の果敢なリーダーシップが必要だ」と述べた部分は、依然として核心争点で意見の相違があることを示唆する。結局、カギは大陸間弾道ミサイルの廃棄を含む「完全な非核化」に合わせて米国が北朝鮮に「確実な体制保証」をどのような方式と速度で行うのかにあるだろう。

 この問題と関連して、最近韓国国内で出された第3の解決策に注目する必要がある。イ・ジョンソク元統一部長官が提案した「2段階解決策」は、非核化と体制保証を交換する新たな道を見せてくれる。この案は、まず6カ月以内に北朝鮮が核兵器と大陸間弾道ミサイルを国外搬出などの方法ですべて廃棄し、これに対する見返りとして米国は終戦宣言(または不可侵協定)、朝米国交正常化、対北朝鮮経済制裁の解除を断行するというのが核心だ。そうなれば米国としては、6カ月という短期間に直接的な安保脅威を解消できることになり、北朝鮮は体制保証の確実な土台を築けることになるといえる。続いて二番目の段階として、あと2年間で北朝鮮は核物質や関連施設などをすべて廃棄・検証し、この処置に対する応答として米国は北朝鮮への経済補償と平和協定締結を実行する。この案は、これまで韓国政府が朝米間の仲裁者として提示してきた「包括的で圧縮的な段階的解決策」のロードマップを具体的に描いてみせたものと言える。朝米交渉の核心が完全な非核化と完全な体制保証の交換であるだけに、この程度なら朝米両者がいずれも受け入れられると考えられる。

 非核化-体制保証のロードマップは決定的で核心的な問題であり、最終的には朝米首脳が直接会って談判する方式で解決する可能性もある。トランプ大統領が朝米首脳会談が2回または3回開かれる可能性を暗示したことも、それだけ談判が容易でない問題であることを認識したためということだ。だが、すでに争点が明らかになり、解決策もある程度出た以上、両首脳が決断すれば難関を突破することは難しくないとも言える。朝米両首脳が易地思之(互いに相手の立場で考える)の知恵を発揮し、大妥結の道を開くことを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/847381.html韓国語原文入力:2018-06-02 05:00
訳M.C

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