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文大統領、今日午後に訪米…トランプ大統領と単独会談

登録:2018-05-22 06:44 修正:2018-05-22 09:32
22日正午にトランプ大統領と単独会談に続き拡大会談 
前日の電話会談で確認した「朝米協議の成功戦略」協議する見込み 
北朝鮮が求める非核化に伴う措置案を具体化する可能性も
文在寅大統領が21日午後(現地時間)、米ワシントンのアンドラス空軍基地に到着し車に乗車している=ワシントン/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日午後、米国を訪問する。最近、ジェットコースターのように展開されている朝鮮半島情勢を、先月27日の板門店(パンムンジョム)南北首脳会談当時に描いた正常な軌道に戻し、安定させるための日程だ。22日(現地時間)正午にトランプ大統領と単独会談を行い、両国の外交安保陣営の関係者が主軸となる公式随行員らと昼食を兼ねた拡大首脳会談を開く予定だ。文大統領とトランプ大統領の首脳会談は今回が4回目だ。

 韓米首脳が今回話し合う議題はただ一つだ。来月12日にシンガポールで開かれる朝米首脳会談の成功条件と戦略を話し合うためだ。朝米会談の日時と場所が決まる前から、今回の韓米会談は朝米会談を成功に導くための道しるべとして予定されていた。トランプ大統領は、文大統領の出国の前日である20日に電話会談を要請し、北朝鮮が最近示すさまざまな反応について意見を交換した。

 韓米首脳は今回の会談で、型破りな動きを続けてきた北朝鮮が突然強硬な態度に転じた背景を分析し、朝米首脳会談の成功条件と朝米会談以降の構想まで共有するものとみられる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の新年の辞と平昌(ピョンチャン)冬季五輪、そして先月27日に板門店で開かれた歴史的な板門店南北首脳会談を経て、朝鮮半島の非核化と恒久的な平和定着は順調に進むかのように見えた。今回の韓米首脳会談がその延長線上にあったなら、文大統領とトランプ大統領は、首脳間の電話会談で話せなかった南北会談の裏話や金正恩委員長の性向を考慮した話術などに焦点を当てたかもしれない。

 しかし、過去の16日、朝米会談まで1カ月を切った時点で雰囲気が変わり始めた。北側が「朝米首脳会談の再検討」まで言及し、米国と韓国政府に対する厳しい圧迫に乗り出した。朝鮮半島非核化の方法論と、それに見合う措置として北朝鮮が求めてきた体制保証、そして終戦宣言と平和協定への転換など、さまざまな議題で朝米間の仲裁者の役割を果たすべき文大統領は、大きな負担を抱えて訪米することになった。

 これに先立ち、ナム・グァンピョ大統領府国家安保室2次長は今月18日、大統領府の定例記者会見で「今回の韓米首脳会談は、朝米首脳会談を約3週間後に控えただけに、南北会談の成功を朝米会談の成功につなげる橋渡しの役割を果たすと期待している」と明らかにした。さらに、「両首脳が朝鮮半島の恒久的平和定着に向けた具体的な履行策を重点的かつ詳しく論議する予定」だとし、「北朝鮮が完全な非核化を履行した場合、明るい未来を保障する方策についても協議するものと予想している」と付け加えた。

 朝鮮半島問題の専門家らは、今回の韓米首脳会談で朝米首脳会談の成功の可否と南北関係が復元されるかどうかが決まると見通した。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「今回の韓米首脳会談は、米国内部、朝米と韓米の間にある意見の相違を調整する場として意味がある」とし、「朝米首脳会談の成功と南北関係修復の行方が分かれる決定的な会談」だと話した。最近、ジョン・ボルトン米ホワイトハウス国家安保補佐官が、メディアとのインタビューで「リビア式核廃棄モデル」を取り上げて北朝鮮を“刺激”したことを受け、直ちに反発する北朝鮮に対し、ホワイトハウスは「トランプモデル」、「韓国モデル」などと発言を調整する姿を見せた。つまり、米国内部でも北朝鮮の核問題の解決方法をめぐり意見の相違があることが明らかになったわけだ。仲裁者である文大統領は、一度の朝米会談で全ての問題を解決しようとする米国の焦りをなだめる必要がある。

 また、北朝鮮の核廃棄と体制安全保障策をめぐり、朝米だけでなく、韓米間も互いに異なる見解を示している。これは韓米が米国の核戦略資産の「B-52」が出撃する韓米合同軍事演習の調整に時間をかけたところでもうかがえる。ク教授は「米国内部では議題を生物化学兵器、人権問題にまで拡大しようとする動きもある」とし、「議題拡大について一定の“ブレーキ”をかけなければならない。非核化の具体的な内容についても(韓米が)合意を行い、少なくとも朝鮮半島における米国の核戦略資産の展開禁止について、米国を説得しなければならない」と話した。さらに、「韓米首脳会談の結果を持って、北朝鮮と対話する機会があるかもしれない」と付け加えた。キム・ジュンヒョン韓東大学教授は「韓国の(朝米間)仲裁者としての役割をグレードアップさせなければならない」とし、「昨年、米国が『軍事オプション』を取り上げた時、韓国が『朝鮮半島に戦争はない』と強調した内容を北朝鮮が評価した。今回も米国から出てくる強硬な発言を調整する役割を果たすべきだ」と話した。

 朝米の事情に詳しい外交消息筋は「最近、北朝鮮が提起している体制保証と軍事的脅威の解消要求は、北朝鮮が数十年間にわたり主張してきた対北朝鮮敵対視政策の撤回と同じ内容で、目新しいものではない」とし、「トランプ大統領にこれを説明し、朝米会談が中止にならないよう、うまく説得すべきだ」と話した。同消息筋は「文大統領は金正恩委員長に対する細部的な助言と共に、米国が北側に対し『相互尊重』の原則を守るよう提言する必要がある」と話した。

キム・ボヒョプ、ノ・ジウォン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/845543.html韓国語原文入力:2018-05-22 01:00
訳H.J

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