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文在寅・プーチン両大統領「朝鮮半島とユーラシア共に繁栄させよう」

登録:2018-06-23 06:48 修正:2018-06-23 08:31
韓露首脳会談「経済協力」を強調 
南北露3カ国の経済協力に備え 
先に韓露経済協力を始動 
「国交正常化30周年の2020年まで 
300億ドルの交易、100万人交流」 
ロシアとの経済協力を基盤に 
経済協力と平和の好循環構造作る
ロシアを国賓訪問中の文在寅大統領が今月22日午後(現地時間)、モスクワのクレムリン宮殿のエカテリーナホールで開かれた拡大会談で、ロシアのプーチン大統領(左側の中央)と会談している=モスクワ/聯合ニュース

 22日(現地時間)、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とロシアのプーチン大統領が韓露首脳会談で経済協力を強調したのは、6・12シンガポール朝米首脳会談以降、急速に進む朝鮮半島情勢の変化と深くかかわっているものとみられる。北朝鮮の非核化→制裁の緩和→経済協力拡大を強調しながら、朝鮮半島の非核化と平和定着が究極的には韓露両国の経済的利益につながることを全面に掲げているからだ。

 文大統領は同日の首脳会談後、共同メディア発表文で「朝鮮半島とユーラシアが共に繁栄できるよう、意思疎通と協力を強化していくことにした」とし、「南北露3角協力事業に備え、韓露両国が先に推進できる事業を着実に推進することにした」と明らかにした。

 同日、両首脳は韓国~ロシア~ヨーロッパを繋ぐユーラシア鉄道網の構築に向け、羅津(ナジン)~ハサン鉄道の共同活用事業を含めた鉄道事業での協力と、シベリア横断鉄道網(TSR)と朝鮮半島縦断鉄道(TKR)連結に関する研究・協力を続けることにした。「羅津ハサン・プロジェクト」は政府の北朝鮮に対する独自制裁によって中断されたが、北朝鮮の非核化合意の履行により正常な軌道に乗れば、韓露協力だけでなく、中国東北地方の物流拠点の役割を果たすことで、南北中露の利益につながる事業とされている。

 シベリア横断鉄道網と朝鮮半島縦断鉄道の連結が実現した場合、欧州とアジアをつなぐユーラシア国際輸送路の役割を果たすことができる。この日の両国の合意で、東海北部線連結に向けた南北合意にもさらに弾みがつく見込みだ。

 両首脳はこれとともに、韓露サービス・投資自由貿易協定(FTA)交渉に向けた国内手続きに着手することで合意した。文大統領は「ユーラシア時代の共同繁栄を図るため、まず両国国交正常化30周年を迎える2020年までに貿易額300億ドル、人的交流100万人の目標をともに達成しよう」と提案した。また、昨年文大統領が提案した「9つの橋」(ガスや鉄道、港湾インフラ、電力、北極航路、朝鮮、雇用創出、農業、水産)などの重点分野の経済協力の発展に向けた行動計画をまとめることにした。文大統領は、両国企業人たちが出席した韓露ビジネスフォーラムの演説で「朝鮮半島に平和が定着すれば韓露経済協力においても新たな幕開けとなるだろう」と述べた。

 文大統領が韓露経済協力に力を入れる背景には、ロシアを「新東方政策」の中核基地とするという意志と共に、経済協力を基盤に朝鮮半島の平和体制を強固にするという構想がある。ロシアは6カ国協議の関係国であり、国連安保理常任理事国という点で、朝鮮半島問題において主要な役割を果たしている。政府は、朝鮮半島問題は南北問題だけでなく国際的な性格を持つだけに、北朝鮮の非核化がロシアの経済的利益にも貢献することを強調し、非核化過程に“参加”させるという構想だ。大統領府関係者は「南北露3角済協力は、朝鮮半島の平和体制と経済協力の好循環構造を作るためのもの」だと説明した。また、ロシアとの経済的“密着”が実現すれば、米中関係の浮き沈みによって韓米日対朝中露の「新冷戦構図」の形成を防げると判断しているものと見られる。

 両首脳はこの日、韓露FTAの国内手続を開始する了解覚書をはじめ、鉄道や医療、科学技術協力など、計19件の了解覚書を締結した。

キム・ボヒョプ、パク・テウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/850293.html韓国語原文入力:2018-06-22 22:54
訳H.J

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