文在寅(ムン・ジェイン)大統領が4日、中国の習近平国家主席と電話会談を行い、4・27南北首脳会談の成果を共有したことで、米国や中国、日本、ロシアなど、朝鮮半島周辺諸国の首脳との「電話外交」を終えた。文大統領は板門店(パンムンジョム)首脳会談翌日の先月28日、ドナルド・トランプ米大統領と75分間にわたり電話会談を行ったのに続き、29日には日本の安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領とも電話で会談し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と合意した「板門店宣言」に対する周辺国の支持と協力を要請した。
文大統領と習主席のこの日の会談で注目すべきなのは、両首脳が5月中に開かれるものと思われる朝米首脳会談の成功だけでなく、朝米会談以降まで見据え、両国の協力を強化することにした点だ。両首脳はまた、朝米首脳会談の成功を前提に、南北首脳が「板門店宣言」を通じて合意した終戦宣言と平和協定の締結についても、「緊密に疎通し、協力態勢を維持・強化していく」ことで意見の一致を見た。一部では、中国政府が板門店宣言で「平和体制の構築に向けた南北米3者または南北米中4者会談」という表現に不満を抱いたため、習主席との電話会談が先送りになっているのではないかという懸念の声もあがった。しかし、このような懸念は同日、協力を強調した両首脳の電話会談でかなり払拭されるものとみられる。大統領府関係者は、両首脳の「35分間の電話会談」と関連し、「両首脳が意見の相違がほとんどなかったため、長く話し合う必要がなかった」とし、「文大統領が習主席とのホットラインが本格的に稼動されたようで、心強いと語るほど、雰囲気が良かった」と話した。
文大統領と習主席は、南北首脳が合意した「完全な非核化を通じた核のない朝鮮半島の実現」という目標が軌道に乗るためには、トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長の朝米首脳会談が成功しなければならないという点でも、認識をともにした。習主席は今月3日、金委員長と中国の王毅外交部長が面会した事実を伝え、「朝鮮半島の非核化のためには、朝米首脳会談の成否がカギとなる」と強調した。これに対し、文大統領も「朝米首脳会談など、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の定着を実現していく過程で、習主席の支援」を要請した。
一方、習主席は、文大統領との会談直後、安倍首相とも電話会談を行い、北朝鮮問題について意見を交換した。安倍首相はこの会談後、東京の首相官邸で記者団に「(4・27南北首脳会談の)板門店宣言に『完全な非核化』が盛り込まれたことを評価することで、習主席と意見が一致した」と述べた。安倍首相は「北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けた中国の圧力に対して習主席に敬意を表した」とし、「国連安全保障理事会の(対北朝鮮制裁)決議を実行することが非常に重要だという点でも、習主席と意見の一致を見た」と述べた。両首脳が電話会談を行ったのは今回が初めてだ。