北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が非核化に向けた査察と検証に積極的な意志を示したと、2018南北首脳会談の公式随行員だった政府高官が明らかにした。
同高官は2日の記者懇談会で、先月27日に板門店(パンムンジョム)で開かれた南北首脳会談当時、「(金委員長が)終戦宣言、不可侵(条約)が実現すれば、北朝鮮が核兵器を持つ必要はないと明確に述べると共に、重ねて強調した」とし、「その面で核兵器のない朝鮮半島に進むのに、査察と検証を通らないのは常識的ではない。(この点を)金委員長も十分理解している」と述べた。さらに、「韓国、米国だけでなく国際社会の専門家やメディアが見守る中、核実験場を閉鎖するとしたのも、査察と検証において積極的な意志があるということを示すものではないかと判断している」と付け加えた。
北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)などの「特別査察」を受け入れるかどうかについて同高官は「(過去)さまざまな核合意があったが、まともに履行されなかった部分について十分に検討しており、再び(合意の未履行を)繰り返してはならないということを前提にして、今回の交渉に取り組んでいる」と説明した。
同関係者は先月27日に南北首脳が合意した板門店宣言のうち、経済協力関連部分は非核化が進展した後に可能だと明らかにした。ただし、これに備え、あらかじめ共同調査などの準備作業に入る方針であり、社会・文化交流は非核化措置と並行できるという立場を示した。南北将官級軍事会談など非武装地帯の敵対行為を中止し偶発的衝突を防止するための協議は、朝米首脳会談の前にも開催できると示唆した。
27日の首脳会談の歓迎晩餐会に同席した同高官は、金委員長をはじめ北側関係者たちが、板門店宣言の履行に向けた「スピード感のある後続措置」に大きな関心を示したと伝えた。金委員長は「板門店宣言が速やかに履行できるよう、南側政府が努力してほしい」という趣旨の発言をしており、リ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長らは晩餐会で、南北会談と後続措置の日程などについて南側と具体的な協議をしたと、同高官は伝えた。
一方、チョ・ミョンギュン統一部長官は同日、平和協定の締結と非核化の時期について「平和協定の締結はほとんど非核化の最後の段階に設定するものと理解するのが妥当ではないかと思う」と話した。平和協定という究極的目標は、北朝鮮の非核化措置がかなり進展した段階で実現できるという点を示唆したものだ。