朴槿恵(パク・クネ)前大統領の“国政壟断”事件1審が6日終わったが、彼女が受けているすべての容疑に対する裁判所の1次判断が終わったわけではない。国家情報院特殊活動費上納事件の1審裁判は今まさに始まったばかりだ。裁判の速度により、この事件が控訴審に併合される事もありえるが、別に進行されてそれぞれ有罪判決を受ければ朴前大統領の刑は単純合算される。
朴前大統領は1月22日、ナム・ジェジュン、イ・ビョンギ、イ・ビョンホ各元国家情報院長らと共謀し、2013年5月から2016年9月まで国家情報院特殊活動費35億ウォン(約3.5億円)を受け取った容疑(特定犯罪加重処罰などに関する法律の賄賂・国庫など損失)などで追加起訴された。また、2月1日には2016年20代国会議員選挙を控え、親朴候補がセヌリ党の公認を受けられるよう、ヒョン・ギファン元政務首席に指示した容疑(公職選挙法違反)でも起訴された。両事件は共にソウル中央地裁刑事32部(裁判長ソン・チャンホ)が審理中で、先月までに4~5回の公判準備期日が開かれ、今月中に正式裁判が始まる。
刑事32部は、朴前大統領に賄賂を渡した容疑で起訴されたナム・ジェジュン、イ・ビョンギ、イ・ビョンホの各元国家情報院長らの裁判も受け持っている。拘束収監中のナム・ジェジュン、イ・ビョンギ元国家情報院長の1審の最長拘束裁判期間(6カ月)を考慮すれば、6月4日前に宣告が下される可能性が大きい。朴前大統領は、この事件で拘束されたのではないため、裁判期間には特別な制約がない。
朴前大統領は、国政壟断事件と同様に特殊活動費事件でも弁護士を選任せず裁判を拒否している。ただし、国選弁護人は3月16日の第4回公判準備期日で朴前大統領の自筆意見書をもとに無罪を主張した。朴前大統領側は「大統領就任後、国家情報院の予算を慣行的に受け取り使ったという報告を受けており、法的に問題がないならば支援を受けて使えと指示した。国家情報院長に特殊活動費を要求したことはなく、具体的金額や使用内訳の報告を受けたこともない」と明らかにした。国選弁護人は、選挙法違反容疑に関しても「選挙運動企画などを指示したことはなく、報告を受けたり承認した事実はない」と否認した。
国政壟断と特殊活動費上納事件は、共にその核心が賄賂であり、1億ウォン以上の賄賂を受け取ったと認められれば、無期または10年以上の懲役刑を受ける可能性がある。両事件が控訴審で併合されれば、朴前大統領の処断刑罰(法律上可能な上限と下限刑量)は10年~45年になるが、別に確定判決を受ければそれぞれの刑量が単純に合算される。その場合、裁判所は先に判決が確定した刑を考慮して宣告に反映させることができる。