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令状審査を拒否した李元大統領、証拠の前で“対応しても実益ない”と判断か

登録:2018-03-21 02:06 修正:2018-03-21 08:48
「検察ですべて明らかにした」本格的な「政治報復」フレームに方向転換 
召喚の際、不利な物証を確認…対応しても実益ないと判断した可能性も 
李明博前大統領が今月15日未明、検察で取り調べを受けた後、ソウル瑞草洞ソウル中央地検庁舎を後にしている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 李明博(イ・ミョンバク)元大統領(77)が、今月22日に予定された令状実質審査(拘束前被疑者審問)を拒否した。14日の検察の取り調べ同様、全面否認以外に特別な訴訟戦略を立てず、「政治報復」フレームを推し進めようとするものと見られる。

 李元大統領側は20日、「検察で立場を十分明らかにしたため、裁判所の審査に出席しないことにした」と明らかにした。令状審査が被疑者の発言権と防御権の保障のための手続きにもかかわらず、「これ以上言う必要はない」ということだ。李元大統領の核心側近も、ハンギョレとの電話インタビューで「検察で既にすべて疎明した。元大統領が検察に出頭し、また、裁判所までいくのは望ましくない」とし、「ひとまず法的手続きは守っており、審査に出ないのは自分の権利を放棄したもの」だと説明した。

 検察内外では、捜査がしっかり行われたため、対抗論理や戦略を立てることが容易ではなかったためと見ている。側近たちの供述などが報じられたが、直接具体的な内容と確保された物証を見たのは召喚調査の時が初めてだった。検事長出身のある弁護士は「李元大統領が、迎浦ビルで見つかった大統領府文書について『捏造された』と主張したそうだが、よほど追い詰められたようだ。これ以上争っても恥をかくだけだと思ったのかもしれない」と話した。法曹界でも拘束令状の発付を既成事実と見ており、審査の出席には実益がないと判断したということだ。

 李元大統領が今後の捜査・裁判過程で、朴槿恵(パク・クネ)前大統領のように「政治報復」を主張し、政治争点化するという見通しも示されている。検察のある幹部は「自白しようとしまいと、重刑が避けられない状況だから、裁判を拒むことで最小限のプライドを守ろうとする可能性がある」と見込んだ。実際、検察への出頭したときには「発言を控えたい」と述べた李元大統領側が、検察の令状請求の直後「政治検察を含めた国家権力が総動員されて行われた李明博殺し」だと声を荒げたのも、このような気流を反映している。

 李元大統領の拘束の可否は、審理を引き受けたソウル中央地裁パク・ボムソク令状専担部長判事が、検察・弁護人両側が提出した書類だけを基に判断するものとみられる。拘束令状の発付前、李元大統領が裁判所が定めた引致場所に出席するどうかも不透明だ。令状が発付された場合、検察が拘束を執行するため、李元大統領の自宅を訪れる可能性もある。現在も令状審査に向けた「簡易拘引令状」は発付された状態だが、検察関係者は「裁判所に出て言う権利を放棄したのは逃走ではないため、逮捕はしない」と話した。

キム・ヤンジン、キム・ナムイル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/836975.html韓国語原文入力:2018-03-20 23:04
訳H.J(1396字)

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