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李元大統領、側近らの自白・迎浦ビル文書証拠も「捏造」と主張

登録:2018-03-16 03:24 修正:2018-03-16 08:04

李元大統領「道谷洞の土地の売却代金6億7千万円  
自宅の建築に使ったが、  
長兄のイ・サンウン・ダース会長から借りたもの  
供述裏付ける借用証書もなく利子も払わず 
 
ダース勤務の息子イ・シヒョン氏に関する質問には  
「関与していない…息子と伯父間の問題」 
サムスンによる訴訟費用の代納については 
「Akin Gumpが 無料で支援するものと思っていた」  
関連文書の作成認めたキム元企画官について  
「なぜそのような供述したのか理解できない」

李明博元大統領が15日午前6時25分、ソウル瑞草区ソウル中央地検から出てきている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 李明博(イ・ミョンバク)元大統領が14日から1泊2日にわたる“マラソン調査”で、約20の容疑のほとんどを否定したのは、予め準備された戦略的判断によるものとみられる。李元大統領は自分所有のソウル瑞草洞(ソチョドン)の迎浦ビルで発見されたサムスンによるダース訴訟費用代納文書を「捏造されたもの」と主張し、これを作成したキム・ペクチュン元大統領府総務企画官ら側近が「虚偽の供述をした」として(容疑を)否定したという。李元大統領のこのような陳述の態度と関連し、ある検察関係者は「窮地に追い込まれた哀れな被疑者ではなく、検察に立ち向かう一方の当事者という印象を与えようとしているようだ。常識的かつ論理的に供述をしたからといって、検察の起訴内容が変わるわけでもないため、道の通った供述で検察調査内容に合わせる必要がないという計算をしたのではないかと思う」と皮肉った。

■李元大統領の供述内容とは?

 前日午前から14時間にわたって行われた調査で、李元大統領が供述した内容の大半は「手のひらで太陽を隠す」ようなものだった。疑惑をめぐるすべての供述と物証が自分を指しているにもかかわらず、李元大統領は「知らぬ存ぜぬ」の態度を貫いたという。最初に取り調べが行われたダースの道谷洞(トゴクトン)の土地の実質的な所有疑惑と関連し、李元大統領は「借名財産を保有したことがない」という従来の立場を繰り返した。長兄のイ・サンウン・ダース会長名義の道谷洞の土地の売却代金67億ウォン(約6億7千万円)が本人のノンヒョン洞の自宅建築などに使われた事実は認めながらも、「その資金はイ会長から借りたもの」と主張した。しかし、金銭を借りたという内容を裏づける“借用証書”もなく、利子を払ったこともなかったという。

 道谷洞の土地の売却代金が投資された「ダース」の実質的なオーナーという疑惑と関連しても、李元大統領は最側近たちの供述内容を否定し、「彼らが自分の処罰を軽くするため、虚偽の供述をしたのではないか」と答えた。これまで検察の捜査過程でキム・ソンウ元ダース社長やクォン・スンホ元専務、カン・ギョンホ社長など前・現職経営陣と「財産管理人」のイ・ビョンモ清渓財団事務局長とイ・ヨンベ・クムガン代表、さらには甥のイ・ドンヒョン・ダース副会長までもが、ダースの実質的なオーナーとして“一人”を挙げたが、当の本人は否定したのだ。息子のイ・シヒョン氏に関しても、李元大統領は「ダースでどのような仕事をするのかについては関与したことはない。それは息子と伯父(イ会長)の間の問題」だと供述した。

■「キム元企画官がなぜそのような供述したのか理解できない」

 李元大統領は、サムスンによる訴訟費用の代納を示す決定的な文書を見ても、「捏造された文書だと思う」と主張した。李元大統領は「サムスンによる訴訟費の代納については知らず、ただ、『Akin Gump』が無料でダース訴訟を支援するものと思っていた」という趣旨で供述したという。同文書の作成者であるキム・ペクチュン元企画官は「私が作成したものに間違いない」と供述した。また、李元大統領は、迎浦ビルで発見された借名財産関連の文書など他の文書についても、「(私は)報告を受けたこともなく、知らなかった」と供述した。検察は李元大統領の取り調べで、最側近だったキム元企画官の供述を主な“圧迫カード”として活用したが、その度に李元大統領は「キム元企画管がなぜそのような供述したのか理解できない」と答えると共に、(彼の)供述を「捏造」と表現したという。

 検察は、調査開始から李元大統領が全面否定を貫いたことを受け、内部的に持っていた“切り札”を全部公開しなかったという。検察関係者は「限られた時間に多くの部分を調査しなければならず、陳述や資料の一部だけを提示し、できるだけ李元大統領の供述を聞く形で調査を進めた」と明らかにした。李元大統領が容疑を全面的に否定する状況で、検察が持っている主な証拠を公開して、裁判でこれを防衛する機会を与える必要がないという判断によるものとみられる。ある検察関係者は「被疑者が否定すれば、持っている証拠をすべて公開せず、拘束前被疑者尋問の際に公開する戦略を使う場合もある」と話した。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の場合も、最初の取り調べ当時、核心証拠だけを提示し、残りは「捜査報告書」の形で裁判所に別途提出した。

 李元大統領は前日の取り調べで、キム・ヒジュン元付属室長を通じて国家情報院から受け取った10万ドル(約1億ウォン)など、ごく一部の事実を認めたが、これについても「使途を明かすことは難しい。国のために使われた」と答えたという。検察は、この資金が(李元大統領の)夫人キム・ユンオク氏に渡されたという疑惑と関連し、「(李元大統領が)夫人に関しては触れなかった」と付け加えた。

 一方、李元大統領は自身の在任期間の歴訪日程が盛り込まれた日程表を検察に提出した。検察関係者は「過密日程で、多忙だったことを示す内容」だとし、「アリバイのためではなく、業務について説明する程度だった」と話した。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/836349.html韓国語原文入力:2018-03-15 21:15
訳H.J

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