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北朝鮮選手団がもらえる平昌行きの「ワイルドカード」は何枚?

登録:2018-01-08 05:25 修正:2018-01-08 08:35
チャン・ウン北朝鮮IOC委員、スイスでトーマス・バッハ委員長と会談 
単一チームよりも北朝鮮選手団について協議する見込み…
10人以上になる可能性も
チャン・ウン北朝鮮国際オリンピック委員会(IOC)委員が6日、中国北京国際空港を通じて中国に入国している。共同通信は、チャン委員がスイスに向かうものと見られるとし、平昌冬季五輪の参加をめぐってIOCと協議をする可能性があると報じた=北京/聯合ニュース

 「結局はワイルドカードだ。北朝鮮は可能なかぎり多くもらいたいだろう」

 チャン・ウン北朝鮮国際オリンピック委員会(IOC)委員が来週初めにスイスのローザンヌでトーマス・バッハIOC委員長と面会するとされ、北朝鮮が何枚のワイルドカードをもらえるかに関心が集まっている。国内の体育界関係者は「チャン・ウンIOC委員が、韓国と接触する前にスイスに行くのは、単一チームよりも独自のチーム出場に向けた交渉のためと見られる。できるだけ多くのワイルドカードの獲得を目指すだろう」と見通した。

 北朝鮮は現在、自力で獲得した2018平昌冬季五輪の出場権が一枚もない。唯一獲得したリョム・デオク-キム・ジュシク組のフィギュア男女ペアの出場権も、昨年末まで出場の意向を明らかにせず、次の順位の候補である日本に渡った状態だ。しかし、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が新年の辞で、平昌五輪への参加意向を表明したため、後続作業として代表チームを構成するのが急務となった。

 国内専門家らはチャン・ウンIOC委員が平昌五輪に出場する北朝鮮選手の種目別リストを作ったものと見ている。これをもとに、IOCや個別種目の国際競技連盟(IF)と協議しなければならない。公式的な出場権の確保はできないため、非公式窓口を通じた出場を目指さなければならない。

 バッハIOC委員長が南北の緊張緩和を通じた平和五輪に特別な関心を持っており、個別国際競技連盟もIOCの傘下にあるため、北朝鮮にワイルドカードを与えることには大きな問題がない。

 北朝鮮から出場可能な種目と選手は、フィギュアスケートやショートトラック、クロスカントリー、アルペンスキーになるものとみられる。フィギュアペアのリョム・デオク-キム・ジュシク組は出場権の確保がを有力視されており、今季ショートトラックの1・2次ワールドカップに出場したキム・ウンヒョクとチェ・ウンソンが候補になるものとみられる。

 スキーでは世界1000位圏外ではあるものの、現役で活動している選手たちがいる。国際スキー連盟(FIS)ホームページには、クロスカントリーに8人(男4、女4)、アルペンスキーに16人(男11、女5)が現役で活動している選手として登録されている。クロスカントリー男子10キロメートルのハン・チュンギョン(22・胞胎山)やパク・イルチョル(22・胞胎山)、リ・チュングァン(27・獅子峰)と、女子5キロメートルのカン・ヒョシム(22・将子山)やコ・グァンスク(26・将子山)、リ・ヨンゴム(19・将子山)が昨年4月、ロシアのアパティティで開かれた大会に出場した。アルペンスキーでも男子部のチャ・クムチョル(35)やチェ・ミョングァン(28)、女子部のイム・ジョンヒ(20)、キム・リョンヒャン(26)などが昨年3月、イランのダルバンドサル大会に参加した。一部の選手たちは6~8年前の出場記録が残っているだけで、国際舞台の経験がほとんどない。

 彼らが出場権をもらえれば、10人以上の選手団の構成が可能になる。北朝鮮の競技力が五輪のレベルを大幅に下回るのは大きな問題にはならないと見られる。追加出場権を得られても既存選手の順位にはあまり影響しないからだ。個別国際連盟も低開発国家に対するスポーツ支援や育成を掲げて他国を説得することができる。

 一方、北朝鮮が選手団の規模を拡大しないだろうと予想する専門家らもいる。プライドの高い社会主義国家の場合、自国選手たちの競技力不振を見せたがらないからだ。しかし、これに対する反論もある。北朝鮮で五輪中継に対する統制が行われるため、北朝鮮内部では大きな問題にならないということだ。ある体育関係者は「北朝鮮では選手団の規模だけを発表することも考えられる。その場合は、できるだけ選手団が多い方がよいだろう」と話した。

 出場選手が10人以上になれば、役員などを合わせた総選手団の規模は30~40人に増える。例えば、リョム・デオク-キム・ジュシク組のフィギュアペアが出場すれば、少なくとも2人のコーチに、トレーナーと管理者などまで4~6人が必要である。他の種目でも出場選手がいれば、数人の補助要員が加わる。バッハ委員長は、北朝鮮の(スケート)国際審判などを招待する意思も明らかにした。

 もし北朝鮮選手団の規模が早急に決まれば、平昌五輪を備えて、北朝鮮がより早く韓国で準備することもできる。大韓体育会と平昌五輪組織委員会は「万全の準備ができている。北朝鮮選手らが来るなら、国内施設を活用してでも、北朝鮮の五輪準備を支援する」と明らかにした。

 チャン・ウン委員は6日、平壌(ピョンヤン)を出発して北京に到着しており、来週初めにスイスのローザンヌでバッハ委員長などIOCの主要関係者と面会した後、15日、北朝鮮に帰国する予定であることがわかった。

キム・チャンクム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/826595.html韓国語原文入力:2018-01-08 00:10
訳H.J

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