韓米両首脳が合同軍事演習の延期に電撃的に合意し、戦争の危機にまで上りつめた朝鮮半島情勢を対話局面に導いていくことができる動力が設けられた。ようやく作られた対話局面を平昌冬季五輪以降までつなげることが重要だ。韓米の決定に北朝鮮がどのように回答するかにかかっている。
韓米連合司令部は5日、資料を出し、韓米連合で年次的に実施してきたキーリゾルブとトクスリ(鷲)演習を平昌冬季五輪以降に実施することにしたと公式確認した。ロバート・マニング連合司令部報道官は、演習延期の目的について「韓米両国軍が成功的な五輪開催に向けた安保維持に万全を期することができるようにするため」と明らかにした。前日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領も連合演習の延期に電撃的に合意し、「安全で成功的な五輪開催」を名分に掲げた。これには理由がある。
北朝鮮核問題の解決策の一つとして中国とロシアが提案した「双中断」(韓米連合軍事演習と北朝鮮核・ミサイル挑発の同時中断)は、基本的に「等価交換」だ。これを韓米が受け入れることは難しい。北朝鮮の核・ミサイル試験は、国連安全保障理事会が不法と規定した反面、韓米合同演習は合法的な同盟レベルの行動だからだ。解決策は「等価交換」の枠から外れることにある。韓米が「平和五輪」を掲げて「同盟の自発的決定」で合同演習を延期したのもこのような脈絡からだ。
延期された合同演習は再開されるだろう。連合司令部側は「韓米同盟は演習の日程を協議中であり、確定すれば追って告知する予定」と釘を刺した。平昌パラリンピック閉幕1週間後の3月25日で「五輪停戦」期間は終了する。したがって、通常2月末から3月まで続くキーリゾルブ・トクスリ演習は、早ければ3月末に実施される可能性がある。
ただ、日程変更による演習の準備状況と4月の最初の週が米国のイースター連休という点を考慮するとき、現実的に4月中旬まで延期される可能性もある。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「合同演習が再開されるまでの期間を積極的に活用し、暫定的な演習延期を事実上の縮小・中断に連結させることができれば、北朝鮮の核交渉が新たな局面を迎える可能性もある」と見通した。
交渉はやり取りすることから始まる。少しずつ互いに利益になる方向に進めば、不可能に見えたことも可能になりうる。ロバート・ガルーチ元米国務省北朝鮮核特使は、10月の訪韓時にハンギョレとのインタビューで「今いるところから他のところに行くための方式と条件を見つけること、それがまさに交渉」だと述べている。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は新年の辞で、平昌五輪と北朝鮮政権樹立70周年(9・9節)を「民族的な大事」と表現した。特に平昌五輪については「民族の位相をアピールする良いチャンス」と述べた。北朝鮮も平昌五輪の成功的開催のために、核・ミサイル試験発射のモラトリアム(猶予)を宣言する“名分”があるという話だ。
これまでレックス・ティラーソン米国務長官とジョセフ・ユン国務省対北朝鮮政策特別代表は、北朝鮮が核・ミサイル挑発の中断を宣言して「60日」が過ぎれば、米朝対話が実現しうると明らかにしてきた。北朝鮮が早期に核・ミサイル実験のモラトリアムを宣言すれば、パラリンピックが終わる前に「60日」を満たすことができる。これは、これまで北朝鮮核問題をめぐる交渉の局面で、原則としてきた「言葉対言葉」と「行動対行動」にも合致する。すでに韓米が合同演習の延期を発表したからだ。
チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「3月末まで稼いでおいた『平和の時間』に米朝が対話局面へと進んでいけるなら、「双暫定」(暫定的な双中断)を実質的な双中断につなげていきながら、対話の動力により力を込めることができる」とし、「平昌以降が重要だ」と強調した。
米国側からも似たような指摘が出ている。ロバート・アインホン前国務省非拡散・軍縮担当特別補佐官(ブルッキングス研究所首席研究員)とブルッキングス研究所のマイクル・オーヘンラン主任研究員は3日(現地時間)、政治専門メディアの「ザ・ヒル」に出した共同寄稿文で、「五輪停戦」期間に韓米連合演習と北朝鮮の核・ミサイル挑発が止まれば「これは決して無駄にしてはならない機会」とし、「その肯定的なモメンタムをどのように持続できるか熟考しなければならない」と強調した。彼らは、延期された演習と秋の乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン演習の規模縮小▽大規模演習を数回の小規模訓練で代替▽オーストラリアまたは米国カリフォルニアへの訓練場所の変更などを代案として提示した。