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[ニュース分析]韓国政府、「北朝鮮の平昌冬季五輪参加」越え軍事・離散家族再会の包括協議目指す

登録:2018-01-03 04:56 修正:2018-01-03 06:18
南北当局間対話2年ぶりに可視化
文在寅大統領が今月2日午前、大統領府本館で開かれた国務会議の会場に入りながら、キム・ブギョム行政安全部長官(中央)と会話を交わしている。左の前面はチョ・ミョンギュン統一部長官=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

韓国「時期・場所・形式にこだわらない」 
統一部長官「南北間懸案をともに協議」 
対話の再開・全面的関係復元に向けた布石 
元統一部長官「統一部長官を首席代表にし 
軍事・体育・赤十字会談を包括すべき」 
 
北朝鮮「議題を拡大するかどうか」反応に注目 
昨日の板門店連絡チャンネルは繋がらなかったが 
高官級会談提案受け入れる可能性高く 
韓米軍事演習と連携し立場定める可能性も

 政府は2日、北朝鮮に南北高位級当局会談を提案しながも、会談の形と議題を具体的に明示しなかった。北側が修正提案できる道を開いたのだ。チョ・ミョンギュン統一部長官は同日の記者会見で、「会談の時期や場所、形式に関係なく、対話する用意がある」と重ねて強調した。チョ長官は、「とりあえず平昌(ピョンチャン)冬季五輪に北側代表団が参加する問題と関連した協議に集中したい」としながらも、「南北対話が長期間にわたる断絶後に開かれるだけに、様々な南北間懸案問題をともに論議する機会が作られればと思っている」と付け加えた。会談が実現すれば、北朝鮮選手団の平昌冬季五輪への参加問題だけでなく、南北対話の再開と全面的な南北関係の復元を目指す意思を示したものと見られる。

 これに先立ち、金正恩(キム・ジョンウン)委員長も1日、新年の辞で「凍結状態にある北南関係を改善し、意味深い今年を民族史に特記すべき年として輝かせなければならない」としたうえで、「今は互いに背を向けて自分の立場を主張するのではなく、北と南が向かい合って我が民族同士南北関係改善問題を真剣に議論し、その出路を大胆に切り開いていく時期」だと強調した。南と北が互いの提案に応じる場合、会談の規模が拡大する可能性もあると見られるのも、そのためだ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領のドイツ・ケルバー財団の演説(新ベルリン宣言)による後続措置として、政府は昨年7月17日、軍事境界線上での敵対行為の中止に向けた軍事当局会談と離散家族再会行事の開催に向けた赤十字会談を北側に提案した。その後、北朝鮮は無反応で一貫したものの、統一部当局者は、機会あるごとに「会談の提案は依然として有効だ」と強調してきた。今度北朝鮮が会談に応じれば、平昌五輪参加問題を議論する体育会談と同時に、軍事当局会談と赤十字会談の性格も帯びることになるということだ。政府が包括的な「高官級会談」を提案したのも、このためとみられる。チョン・セヒョン元統一部長官は「軍事・体育・赤十字会談を全般的に包括するためには、統一部長官を首席代表とする代表団を構成すべき」と話した。

 政府は同日、板門店(パンムンジョム)連絡チャンネルを通じて二度電話をかけたが、つながらなかった。統一部関係者は「午前9時と午後4時、板門店連絡チャンネルを通じて通話を試みたが、北朝鮮側はこれに応答しなかった」と話した。2016年2月、開城工団の全面的稼動中止に対抗し、北朝鮮が軍通信線と板門店連絡チャンネルを遮断した後、南北が連絡を取り交わす方法は事実上途絶えた状態だ。政府が会談の提案と共に板門店南北連絡チャンネル復元を提案したのもこのためだ。

 専門家らは、北朝鮮がいかなる形であれ、会談の提案に応じるものと見込んでいる。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「最高指導者である金正恩労働党委員長自ら平昌五輪への参加意思を明らかにしており、南北関係の改善に向けた意志も示した」とし、「早急に会うこともできるという発言までしただけに、会談の提案を受け入れる可能性が高い」と話した。北朝鮮が協議に復帰すれば、2015年12月、何の成果も得られず決裂した南北次官級会談以来、2年1カ月ぶりに南北当局が膝を突き合わせることになる。

 一方、北側が慎重な態度を示す可能性もある。最初から会談規模を拡大することなく、平昌五輪参加問題などに限定した体育会談に絞って修正提案をすることもあり得る。金委員長が新年の辞で、軍事的緊張状態を解消すべきだと強調したことから、現在韓米間の協議が進められている合同軍事演習の延期問題と連携して動きを決めることも考えられる。北朝鮮の平昌五輪参加に向けた申請期限は29日だ。

チョン・インファン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/826053.html韓国語原文入力:2018-01-02 23:05
訳H.J

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