チョ・ミョンギュン統一部長官が2日、北側に「高位級南北当局会談」を提案したが、南北会談の形態や両側の代表団構成問題はもう少し見守らなければならないと見られる。
チョ長官が提案した「高位級会談」は、当初南北会談が本格化した1990年代には首相級会談を意味した。当時、南北は1990年9月から1992年9月まで8回にかけて南北高位級会談を持ち、南北間の相互認定と和解、協力、不可侵などの内容を盛り込んだ「南北基本合意書」を採択した。当時、南側からはチョン・ウォンシク首相が、北側からはヨン・ヒョンムク政務院首相が南北代表団の首席代表を務めた。
その後、高位級会談という用語はほとんど使われなかった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時期の2007年11月、ハン・ドクス首相とキム・ヨンイル内閣首相間の会談が開かれたが、高位級会談とは言わず「南北首相会談」と呼んだ。また、統一部長官が出席する南北会談は「南北長官級会談」と、両側の国防長官間対話は「南北国防長官会談」と呼ばれた。南北軍事実務会談は、南北の将軍級による会談として定例化された。
南北会談で「高位級」という用語は、朴槿恵(パク・クネ)政府になってよみがえった。南北は2013年6月、当初長官級会談開催のための実務接触を開いたが、いわゆる「格論議」に火が点いた。南側が「北側首席代表が長官級ではない」として問題視した。この論議で会談が失敗に終わり、「長官級会談」はその後機能しなくなった。それと共に大統領府が前面に出、2014年2月に大統領府国家安保室のキム・ギュヒョン1次長とウォン・ドンヨン北朝鮮統一戦線部副部長との会談は「南北高位級接触」になり、2015年8月のキム・グァンジン国家安保室長とファン・ビョンソ総政治局長との会談は「南北高位当局者接触」になった。
チョ・ミョンギュン長官が高位級会談を提案する時、このような歴史的背景を特に念頭に置いた様子はない。チョ長官は、代表団の構成や首席代表の格などについて「北側が自ら立場を明らかにしてくれば、板門店連絡チャンネルを通じて協議していけば良い」と柔軟性を見せた。