政府が北朝鮮に高官級南北当局会談を提案した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が新年の辞で、南北会談に応じる意向を明らかにした翌日に行われた迅速な対応だ。会談が実現すれば、2015年12月の南北次官級会談以来、2年ぶりのことであり、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後初めての当局会談だ。
チョ・ミョンギュン統一部長官は2日午後、記者会見を開き、「政府は9日、板門店(パンムンジョム)の平和の家で高官級南北当局会談を開催することを北側に提案する」とし、「南北が対談して平昌冬季五輪への北側の参加問題を協議すると共に、南北関係改善に向けた相互関心事について胸襟を開いて話し合うことを望んでいる」と明らかにした。チョ長官は「南北当局会談の開催問題を協議するためには、板門店南北連絡チャンネルが速やかに正常化されなければならない」としたうえで、「板門店連絡チャンネルを通じて議題や代表団の構成などの細部手続きについて協議していくことを提案する」と述べた。彼は「政府は時期や場所、形式などにこだわらず、北側と対話する用意があることを改めて明らかにする」と付け加えた。
会談の議題と関連し、チョ長官は「平昌冬季五輪への北側の参加問題を集中的に協議していく」とし、「南北対話がかなり長い間断絶されており、北側も南北関係改善の必要性を提起しただけに、当局が膝を突き合わせることになれば、相互関心事項について話し合えると思う」と述べた。平昌冬季五輪を中心に議論し、南北関係全般に議題を広げる可能性を残したのだ。
チョ長官は会談を率いる首席代表についても、「『高官級南北当局会談』として少しは“オープン”にして置いた状態」だとしたうえで、「北側はそれなりに立場を明らかにしてくるだろうし、そのような過程を通じて代表団の構成などが具体的に決まるだろう」と話した。また、会談の提案に先立ち、米国側と事前協議を行ったかという質問に対し、「緊密な協議を行っている」と答えた。
これに先立ち、文在寅大統領は同日午前、新年初の国務会議で「(北朝鮮が)平昌冬季五輪を南北関係の改善と平和の画期的なきっかけにしようという韓国の提案に応えたと評価しており、歓迎する」としたうえで、「統一部と文化体育観光部は、南北対話の速やかな復元と北朝鮮代表団の平昌五輪への参加に向け、後続対策を早急に用意するよう」指示した。大統領府はチョン・ウィヨン国家安保室長主宰で今年初の国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、南北当局会談について協議した。
今年1日、金正恩委員長は新年の辞で、「平昌五輪への代表団の派遣を含めて必要な措置を取る用意があり、このため、南北当局が早急に会うこともできる」と明らかにした。