韓国が平昌(ピョンチャン)冬季五輪が終るまで韓米連合軍事演習を延期しようと米国に要請したと、ファイナンシャルタイムズが11日報道した。
同紙はワシントンの消息筋4人の話を引用して、韓国が来年度の韓米合同演習であるキーリゾルブ演習・トクスリ(鷲)演習を、来年3月18日に終わる平昌パラリンピック以後に延期することを望むと明らかにしたと報道した。消息筋のうちの2人は、米国もこれを受け入れそうだと伝えた。
同紙は、こうした要請は平昌五輪期間に北朝鮮が挑発する可能性を減らし、今後の対話の窓口を切り開く意図だと解説した。
韓国側の要請について詳しいというある要人は「演習の延期は緊張を緩和するための慎重措置になるだろう」とし「世界中の選手と観客が非武装地帯からわずか80キロメートル離れた韓国の都市に来る」と話した。この消息筋は「両国の軍隊が今年広範囲な演習をしたので、大規模軍事演習に対する必要度は減った」と述べた。彼は、こうした要求は中国の旅行制限を緩和させる努力の一環でもあると話した。このような要求を文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国訪問前にワシントンに伝達したが、韓国側は高高度防衛ミサイル(THAAD)配備による中国の団体旅行制限などで、中国人の平昌五輪入場券購買の低調さに腐心していると同紙は説明した。
韓国政府はこうした報道に対して明確な立場を出していない。チェ・ヒョンス国防部報道官は12日、定例ブリーフィングで「韓米連合演習を平昌五輪以後に延期しようという議論がなされているか」という質問に「まだ何も決まっていない」として「韓米間で進行される事案に対しては、現在発表することに制限があり、また適切でもない」と答えた。ただし「(演習)日程に関する議論はされていないのか」という質問には「そうだ」と答えた。
だが、9月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、国連の五輪休戦決議案の採択を主導し、平昌五輪を“平和の五輪”にしようと強調した点に照らしてみれば、政府が連合演習の開催を延期しようと提案した可能性は高く見える。
韓国政府内には、演習延期を北朝鮮の平昌五輪参加のためのテコにしなければならないという見解もある。政府では、北朝鮮の確答がない状態で、演習延期が既定事実化されるような外信報道が相次ぐことに負担を感じる雰囲気も感知される。政府のある当局者は「演習延期問題はマスコミが関心を持たないことが(平昌五輪の成功を)助けることになる」と話した。
韓米両国は、毎年2月末から3月初めにキーリゾルブ演習を開始し、4月末まで進行されるトクスリ(鷲)演習で大規模合同演習を終えてきた。平昌五輪は来年2月9~25日、パラリンピックは3月9~18日に予定されている。五輪休戦決議を採択した国連は、冬季五輪とパラリンピックの開幕7日前から閉幕7日後まで世界の紛争を一時中断することを勧告した。