大統領府は10日、トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)委員長が北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪参加問題で訪朝する可能性と関連し、「大韓民国だけでなく国際社会の要請に応え、バッハ委員長の訪朝が実現することを望んでいる」と明らかにした。
大統領府関係者は同日、記者団に「(韓国政府は)国際オリンピック委員会レベルで最大限努力を傾けてくれることを要請しており、平昌五輪への北朝鮮の参加のために多角的な取り組みが行われている」として、このように話した。同関係者はさらに、「北朝鮮の大会参加は、歴代のどの大会を見ても、(大会)間近に決定される傾向が多く、バッハ委員長が訪朝した際、その場で(北朝鮮の参加可否が)決まるのは難しいと個人的には思っている」とし、バッハ委員長の訪朝が現実化されても、北朝鮮選手団の参加が決まるまではもう少し時間がかかるという見通しを示した。
これに先立ち、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送は9日、バッハ委員長が8日(現地時間)にスイスのローザンヌで北朝鮮のキム・イルグク朝鮮オリンピック委員会委員長に会ったと報道した。国際オリンピック委員会本部広報室は「北朝鮮と平昌冬季五輪の参加問題を協議しているか」という質問にこのように答えており、「今回の面会は新たに選出された(北朝鮮の)国家オリンピック委員会委員長との伝統的な初顔合わせレベルのもの」と述べたと、同放送は報じた。国際オリンピック委員会公報室は具体的にどのようなことが話し合われたかについては明らかにせず、「朝鮮オリンピック委員会のオ・チョルミン事務局長とコ・チョルホ委員が今回の訪問に同行した」と明らかにした。
同放送は、今回の北朝鮮オリンピック委員会の関係者らのスイス訪問について、バッハ委員長が訪朝を推進しているとされる中で行われたものだと強調した。
北朝鮮はフィギュアスケートのペア種目で唯一平昌五輪への出場権を獲得したが、参加申請期限の10月30日まで参加意思を明らかにしなかった。しかし、国際オリンピック委員会は、北朝鮮が参加意思を表明すれば、各種目国際連盟と協議し、ワイルドカードを与える方策を考慮しており、参加費用も負担する方針だという。