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「違法積置物」扱いされた釜山少女像、暖かい冬迎える

登録:2017-11-30 05:32 修正:2017-11-30 06:58
設置1周年迎えた釜山少女像 
市民団体「いまだに残っている日帝強制占領期の積弊の清算行事を進める」 
昨年12月29日午前、ソウル鍾路区の日本大使館前で「韓日日本軍慰安婦合意無効のための大学生対策委員会」と「大学生同胞運動本部」の学生らが、前日行われた釜山日本領事館前の「平和の少女像」撤去に抗議する記者会見を開いている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 昨年12月31日夜9時14分、釜山東区(トング)草梁洞(チョリャンドン)の日本総領事館前の歩道。市民代表13人が「平和の少女像」を覆った布を取り払うと、除幕式を見に来た市民数千人が一斉に歓声を上げた。市民は「国民が勝利した。少女像を守っていこう」と声を高めた。

 釜山少女像がここに建てられるまでには様々な困難があった。朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年12月28日、韓国・日本両国は、日本軍「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に解決された」(12・28合意)と宣言した。日本政府のきちんとした謝罪もなく、国家犯罪に対する法的責任も抜けた状態だった。

 屈辱的な合意だとして、国民は憤った。釜山(プサン)の青少年が先に乗り出した。昨年1月6日からCさん(当時17)が日本総領事館前で、白いチョゴリに黒いスカート姿で「人の少女像」1人デモを始めた。Cさんは「屈辱的売国協定である慰安婦合意に反対、少女像を守ってください」というプラカードを持っていた。市民らは人の少女像にマフラーと手袋を手渡した。人の少女像は同日から昨年12月30日まで360日間続いた。

 釜山の青少年や大学生など若者たちは昨年3月、市民募金で少女像を建立するため、「未来世代が経てる平和の少女像推進委員会」(推進委)を立ち上げた。当時、釜山には少女像がなかった。市民や学生など5332人が力を合わせた。推進委は昨年8~11月、日本総領事館前の歩道を管理する自治体である東区に少女像の建設を要請したが、東区は道路法を理由に少女銅像の建立を許可しなかった。推進委は昨年12月28日、日本総領事館の前に少女像を設置したが、東区は不法積置物だとして、少女像を強制撤去した後、返還を拒否した。国民の激しい抗議と批判に東区は2日後の30日、少女像を返還すると共に設置を許可した。推進委は昨年12月31日、少女像の除幕式を開いた。

 しかし、少女像は、一部の市民が捨てたゴミや違法プラカードの設置などに苦しんだ。法的に違法占有物であるため、自治体が直接管理できなかった。釜山市議会は今年6月、地方自治体が少女像を管理し、違法行為などを取り締まることができるよう条例を作った。

 少女像の設置1周年を迎え、釜山市民団体は様々な行事を開く。「少女像を守る釜山市民行動」は29日、「来月22~28日を『少女像建設1周年釜山市民行動週間』に決め、様々な行事や展示会を行う」と発表した。同団体は「この1年間、少女像は国民から愛されてきた。しかし、12・28合意は依然として存在している。日本政府の心からの謝罪と賠償はまだ行われていない。少女像建設の意味や日本軍『慰安婦』問題、朝鮮人強制徴用など、日帝強制占領期(日本の植民地時代)の積弊の清算を盛り込んだ行事を進める」と話した。

釜山/キム・ヨンドン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/821243.html韓国語原文入力:2017-11-29 15:56
訳H.J

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