仁川(インチョン)地域の市民団体が「在韓米軍は汚染された仁川富平(プピョン)の米軍基地を自分で浄化せよ」と要求した。返還予定の富平米軍基地「キャンプマーケット」が、猛毒性物質ダイオキシンに汚染されているという環境部の現場調査結果発表を受けて在韓米軍を糾弾した。
仁川緑色連合など仁川地域の政党や市民・環境団体62団体が集まった「仁川所在政党・市民社会団体」は30日、富平区のキャンプマーケット正門前で記者会見を行い、米国の公開謝罪と浄化を要求した。これらの団体は「ダイオキシンが深さ5メートルまで多量に検出されたのは、枯れ葉剤やポリ塩化ビフェニル(PCBs)などの猛毒性物質を埋めたことを強く示唆する」と主張した。
さらに「環境部もすでに1年前に汚染の事実を把握していながら、市民はもちろん仁川市富平区など地方自治体にも知らせなかった」として「富平米軍基地危害性評価報告書の全体を公開し、汚染原因者である在韓米軍に汚染の浄化を要求しなければならない」と付け加えた。これらの団体はまた、訪韓予定のトランプ米大統領に富平米軍基地内に埋められたダイオキシン、毒劇物など廃棄物を引き渡すパフォーマンスも繰り広げた。
これに先立って環境部は27日、キャンプマーケット内の33カ所の調査地点のうち7カ所の土壌試料から基準値1000pg-TEQ/g(ピコグラムは1兆分の1グラム)を超えるダイオキシンが検出されたと発表した。最高濃度は1万347pg-TEQ/gに達した。地下水からは石油系総炭化水素とトリクロロエチレンが検出され、銅、鉛、ヒ素、亜鉛、ニッケル、カドミウム、六価クロム、水銀などの重金属汚染も確認された。
現在、政府と米国は在韓米軍地位協定(SOFA)によりキャンプマーケットの敷地47万9622平方メートルのうち22万8793平方メートルの返還手続きを踏んでいる。