北朝鮮の相次ぐ核・ミサイル挑発と朝米間の緊張の高まりで、朝鮮半島周辺情勢が厳しさを増している中、北朝鮮が来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪に参加する可能性が高いと、政府の中心人物らが伝えた。平昌冬季五輪が、単なるスポーツ行事を越えて、大きく膨らんだ朝鮮半島周辺の緊張を緩和する呼び水になるかに注目が集まっている。
政府のある高官は13日、ハンギョレに「チャン・ウン北朝鮮国際オリンピック委員会(IOC)委員が平昌五輪に参加するという意思を伝えてきたと聞いている」と明らかにした。同人物は、チャン委員がいつ、いかなる形でこのような意思を伝えたかについては明かさず、「近いうちに政府の公式発表があるだろう」と話した。
大統領府関係者も「まだ経路を明らかにすることはできないが、国際オリンピック委員会側が『北朝鮮の平昌五輪参加問題がうまく進んでいる』と韓国側に伝えたと聞いている」とし、「様々な情報と情況からして、北朝鮮の平昌五輪への参加を疑わない」と話した。同関係者は「来月初めにドナルド・トランプ米大統領の訪韓と韓米首脳会談で、これまでの気流とは異なる、何か象徴的な措置があるだろう」と期待を示すと共に、北朝鮮が平昌五輪に参加する可能性が高いと判断するいくつかの根拠を提示した。
まず、北朝鮮が平昌五輪出場資格を取るための予選戦に着実に参加し、フィギュアスケートなど一部種目での本選出場権を確保したため、平昌五輪に参加しない理由がないという点と、北朝鮮が実際、国際社会の一員としての待遇を受けられるスポーツイベントに積極的に参加してきたという点を挙げた。これに加えてトーマス・バッハ国際オリンピック委員会委員長の積極的な態度を挙げた。同関係者は「ドイツ出身のバッハ委員長は、分断問題やオリンピックを平和と和合の場に活用しようとする我々の試みを、誰よりもよく理解している」とし、「あえてこちらから協力を要請する必要がないほど、本人が積極的に動いている」と話した。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年9月、米ニューヨークを訪問し、「平昌外交」と呼ばれるほど、ほとんどすべての場で平昌五輪と平和を結びつけ、北朝鮮の参加を強く要請した。文大統領は先月21日、国連総会で「2018年平昌は、2020年東京、2022年北京につながる北東アジアリレー五輪の扉が開かれる場所」とし、「平和の危機の前で、平昌が平和の光を照らすろうそくになるだろうと信じている」と述べた。前日開かれた「平和五輪に向けたメトロポリタン平昌の夜」行事でも「北朝鮮が参加する平和オリンピックを実現させることは難しいけれど価値のある挑戦」だと表現し、「今緊張が高まっているが、だからこそ平和が必要だ。このような時期に南北が集まれば、世界に和解と平和のメッセージを伝える良いきっかけになるだろう」と語った。
ただし、平昌五輪(来年2月9~25日)と続いて開かれる平昌パラリンピック(3月9~18日)が、毎年2~3月に実施してきた韓米合同演習「キーリゾルブ」と重なることは微妙な問題だ。キーリゾルブは、米国の戦略兵器が総出動し、北朝鮮に緊張感が与えてきた年次演習だが、その日程と規模を調整した場合、北朝鮮の参加する可能性はさらに高まると見られる。政府が先月、国連に平昌五輪期間中に世界の紛争を中断するよう呼びかける停戦決議案を提出した直後、江原道は軍にキーリゾルブの日程調整を建議することにしており、軍当局者も「訓練日程はまだ決まっていないが、平昌五輪など国際行事日程を考慮して確定する」と明らかにした。
まだ政府の公式立場は「情報がない」ということだ。主務省庁である文化体育観光部のノ・テガン次官は、電話インタビューで「北朝鮮の参加と関連して進展した情報は国際オリンピック委員会とリアルタイムで共有しているが、まだそのようなものはない」とし、「チャン・ウン委員が最近、『スポーツと政治は別物』と述べるなど、以前とは立場が変わったことで、前向きな見通しが膨らんだのではないかと思う」と話した。
韓国語原文入力: 2017-10-14 04:59