大統領府は19日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領が国連総会基調演説を通じて、「米国(の安全)が脅かされれば、北朝鮮を完全に破壊すること以外には選択肢がない」として、北朝鮮に対して強力な警告を行ったことに関連し、「国際社会と国連が当面した平和と安全維持と関連した主要問題に対し、確固として具体的な立場を表明したものと見ている」と明らかにした。トランプ大統領の強力な対北朝鮮発言が従来の立場から大きな変化があるわけではないと強調すると共に、21日に予定された文大統領の基調演説と、まもなく開かれる韓米首脳会談の悪材料に発展することを警戒する雰囲気だ。
大統領府のパク・スヒョン報道官は同日、ニューヨークで開かれた定例記者会見で、「米大統領として異例的に長い時間を割いて北朝鮮の核や問題について立場を表明することで、米国政府がこの問題をどれほど深刻に考えているかをよく表している」としたうえで、「今日の(トランプ米大統領の)北朝鮮関連の演説は、韓米両国首脳がこれまで何度も明らかにしたように、北朝鮮の深刻な核・ミサイル挑発に対し、最大限の制裁と圧迫を通じて、非核化だけが未来のため北朝鮮に残された唯一の道という点を自覚させなければならないということを再確認したもの」だと述べた。
しかし、国連総会基調演説と韓米首脳会談を控えた文在寅大統領の苦悩は深まるものとみられる。文大統領は今回のニューヨーク訪問の間、英国やチェコ、セネガルなど、多くの首脳らと会談し、国連の新たな対北朝鮮制裁決議を忠実に履行すると共に、平和的方式で北朝鮮核問題を解決すべきという両軸を同時に強調してきた。文大統領の国連総会の演説もこのような基調を維持するものと見られる。ところが(今回のトランプ大統領の演説により)、「北朝鮮の完全破壊」発言を考慮せざるを得なくなった。国連の象徴性を積極的に活用して、平昌冬季五輪を機に、北朝鮮核問題の平和的解決を強調しようとした当初構想から、どのぐらいトーンを調整するかに注目が集まっている。