本文に移動

サムスン電子、白血病被害者30人に初の補償

登録:2015-10-22 00:14 修正:2015-10-22 07:49
現時点での補償申請者90人超える 
調停委を外した単独行動に 
パンオルリム「再発防止は拒否するのか」
クォン・オヒョン サムスン電子副会長が5月14日ソウルのサムスン電子瑞草社屋で白血病および難病問題に対して謝罪と再発防止対策樹立を約束するに先立ち挨拶している。 ニュース1

 サムスン電子が、昨年5月にクォン・オヒョン副会長による半導体白血病被害者に対する謝罪文を発表してから1年5カ月ぶりに初めて被害者に補償金を支払った。

 サムスン電子は21日、独自に作った補償委員会が半導体事業場退職者30人と疾病被害関連補償金の支払い並びに合意の一次分を完了したと明らかにした。 だが「サムスン電子半導体などの事業場における白血病など疾患発病と関連した問題解決のための調停委員会」(調停委)の勧告案が出た後、社団法人の設立を巡ってサムスンと「半導体労働者の健康と人権を守るパンオルリム」や一部の家族が異見を示し、完全解決までにはなお曲折が予想される。

 サムスン電子は補償委員会に補償申請と書類提出が相次いでいて、今月末には補償金受給者が50人を超えると予想した。 サムスン電子側は「発病者と家族の書類準備と補償委員会での審議に時間がかかる」として「弁護士または労務士が直接発病者を訪問し書類作成などを支援しているので補償金を受け取る人は今後も継続的に増えるだろう」と明らかにした。 この日までの補償申請者は協力会社の退職者を含めて約90人に達する。

 サムスン電子はまた、補償対象者を直接訪ねてクォン・オヒョン副会長名義の謝罪文を個別に伝達している。謝罪文には「発病者と家族の痛みを推し測る上で不十分な部分があり、早期にこの問題を解決しなければならなかったのに出来なかった。心より謝罪申し上げる」という内容が含まれている。

 これに対して家族対策委員会は、「困難な条件の中で8年も続いてきた問題が第一歩を踏み出し、解決が始まったことを幸と考える」として「不十分な点がないわけではないが、会社が謝罪文を個別に送ったので被害当事者と家族は多少なりとも慰められたと見る」と明らかにした。

 しかし、パンオルリムのコンユ・ジョンオク幹事(医師)は、「社会的対話を目的に構成された調停委員会には理由もなく調停の保留を要請しておきながら、わずか2週間後に一部の被害者に対する補償金支払いが完了したという便りが聞こえてきた」として、「市民・労働者とともに原因を究明し再発防止のための対策を用意するという総合的解決方案については拒否するという態度としか見られない」と指摘した。

※パンオルリムとは…韓国後でパンオルリムは「半音上げる」#(SHARP)記号を意味する。市民団体「半導体労働者の健康と人権を守るパンオルリム」の英語名「Supporters for Health And Rights of People in Semiconductor industry」の頭文字を取り、SHARP=パンオルリムとしている。

イ・ジョンフン、ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/713889.html 韓国語原文入力:2015-10-21 19:49
訳J.S(1150字)

関連記事