「半導体労働者の健康と人権守り」(パンオルリム)は13日、瑞草区のサムスン電子社屋前で記者会見を行い、「サムスンは謝罪と補償に関する交渉約束を履行せよ」と主張した。 サムスン電子、パンオルリム、家族対策委員会という“サムスン白血病”問題の交渉主導者が前日、再発防止対策に関する合意案を導き出したのに続き、残りの議題についても対話を求めたことになる。
パンオルリムはこの日の記者会見で「サムスン電子半導体工場の安全・保健状況が社会的監視を受けることになった再発防止対策合意案は貴重な成果」としつつも「いまだに謝罪と補償に関しては、サムスン側が調停を通した交渉の約束を破棄して自主的に補償を進めたため、何らの進展も得ていない」と明らかにした。
さらにパンオルリムは「サムスン電子が進めている謝罪と補償は、交渉の主体であるパンオルリムとは何の議論も経ていないだけでなく、調停勧告案の趣旨に正面から外れるもの」とし「サムスン電子がパンオルリムとの謝罪と補償に関する議論に積極的に臨むことを強く要求する」と明らかにした。 パンオルリムはまた「サムスン電子が補償申請者に個別的に発送している謝罪文は、依然として企業の過ちと責任を認めない内容」とし「補償金額とその範囲も一方的に算定している」と主張した。
これに先立ち、サムスン白血病問題の社会的解決のため構成された調停委員会(委員長 キム・ジヒョン元最高裁判事)は昨年7月、独立した公益財団を構成し補償手続きを進めることなどを骨格とする1次調停案を勧告している。 しかしサムスン電子は、公益財団の構成に反対する意向をほのめかし、独自に補償委員会を設け被害者補償を進めてきた。
サムスン電子半導体事業場で働いて急性白血病で亡くなった故ファン・ユミさんの父、ファン・サンギ氏(パンオルリム交渉団代表)はこの日、記者会見で「昨日、調停委員会で再発防止の部分は一段落したが、補償と謝罪の問題は依然として残っている」として「被害補償と治療費問題、謝罪問題に決着がつくまで座り込みを続ける」と明らかにした。 パンオルリムがサムスン電子社屋前で行っている路上座り込みはこの日で99日目をむかえた。
サムスン電子とパンオルリム、家族対策委は12日、外部独立機構であるオンブズマン委員会を設立し有害因子を点検するシステムを構築するなどの内容を盛り込んだ「災害予防対策」に合意した。 サムスン電子は「補償と謝罪がめられたのに続き、最も尖鋭に対立してきた予防問題まで完全に合意できた」という公式立場を明らかにした。