サムスンの白血病問題の合意過程で生まれた労災予防のための外部独立機構「サムスン電子白血病オンブズマン委員会」(委員会)が8日、公式にスタートした。
委員会はこの日、「サムスン電子の半導体工場に対し総合診断を実施し、改善案を導き出すための公式活動に入る」と明らかにした。委員会は「これに先立ち、サムスン電子、『半導体労働者の健康と人権守り』(パンオルリム)、家族対策委員会(家対委)からなる交渉主体3者の合意により選ばれたソウル大法学専門大学院のイ・チョルス教授が委員長を務め、2人の委員には東国大医学部のイム・ヒョンスル教授とカトリック大医学部のキム・ヒョンウク教授を選任した」と説明した。
サムスン電子の半導体生産ラインに対して総合診断を実施し、その結果を報告書に作成する役割を担う委員会は、実務活動に必要な2分科委員会と5小委員会も設けた。1分科(委員長、イム・ヒョンスル教授)は総合診断を引き受け、2分科(委員長、キム・ヒョンウク教授)は化学物質、学術・政策などを調査研究し必要な制度改善を検討する。委員会では総合診断以外にも化学物質に関連した学術・政策研究など労災予防と実行方案の樹立のために必要な諸活動をサムスン電子に勧告することもできる。委員会の活動期間は3年で、必要に応じ3年以内で延長できる。
2007年3月にサムスン電子の器興(キフン)半導体工場に勤務していたファン・ユミさんが急性白血病で亡くなった後、9年近くにわたり続いてきたサムスン白血病問題は、2013年にパンオルリムとサムスン電子が交渉を始めた。その後、サムスン電子の提案で2015年から元最高裁判事のキム・ジヒョン氏が委員長を務める調停委員会が構成され、謝罪と補償の方法について議論を続けてきた。昨年1月、交渉の主導者らが外部独立機構の「オンブズマン委員会」の設置を含む調停委員会の勧告案に合意した。
イ・チョルス委員長は「オンブズマン委員会の主要要件の客観性、専門性、公正性を最優先の価値とし、委員会と診断チームを構成するために努力した」とし、「委員会発足の土台になった合意内容を履行できるよう、科学的な診断と客観的な評価に焦点を合わせて活動を進める」と話した。