登録 : 2017.07.01 19:19 修正 : 2017.07.03 07:41

大企業・公共部門が中心だった
既成の民主労総の一斉ストと異なり
10万の非正規職が主軸
30日光化門広場で本集会

ソウル市の非正規職労組員たちが29日午前、ソウル市教育庁前で開かれた一斉スト決起大会で非正規職完全撤廃などを叫んでいる。給食調理員など全国の学校非正規職労働者がこの日ストに入り一部の学校では給食が中断され生徒たちが弁当を持って登校した=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社
 「名分なきストライキ」「文在寅政府に対するろうそく市民の請求書」「文在寅政府の足を引っ張っている」

 民主労総傘下の非正規職労組が30日「一斉スト」を行なった。マスコミをはじめとする社会の反応は冷やかな方だ。ストライキと言えば理由の如何を問わず両目を血走らせる保守はもちろん、一部の文在寅(ムン・ジェイン)政権支持者たちも、性急過ぎると批判している。今回のストライキは本当に名分がないのだろうか。

 何よりもまず、民主労総が非正規職組合員を中心に「一斉スト」をするのは今回が初めてだ。 昨年の朴槿恵(パク・クネ)政権が一方的に推進した「二大指針の廃棄」、「成果年俸制の廃棄」のストライキや、ろうそく政局でなされた「朴槿恵政権退陣スト」のように、現在まで民主労総のストライキの主な動力は大企業・公共部門労組だった。 しかし3月から準備された今回のストライキは民主労総傘下の「非正規職労働者」10万人が主軸だ。

 また、今回のストライキは不法ストライキではない。今回のストに参加する組合員は第一線の学校の給食室調理士や放課後講師など学校非正規職と、大学(病院)の清掃労働者、大企業の間接雇用労働者だ。彼らはそれぞれの事業場で使用者と賃金・団体協約締結のための交渉を行い、労働委員会の調停を経て争議権を確保した後「合法ストライキ」に突入した。 民主労総所属ではないが「社会的一斉スト」を共にするという趣旨でアルバイト労組も参加し、これに連帯する正規職労働者・市民社会団体も加勢した。

 彼らは30日午後3時、ソウル市光化門(クァンファムン)広場で集会を開く。彼らが一斉に叫ぶ要求は「最低賃金1万ウォン、非正規職撤廃、労組活動の権利保障」だ。先に文在寅大統領は選挙過程で、「労働尊重社会」を基調に2020年までに最低賃金1万ウォン達成と公共部門の非正規職ゼロ化、常時・持続業務非正規職の正規職転換、労働者の労働3権(団結権・団体交渉権・団体行動権)保障を公約として掲げた。

 ハンギョレは今回のストに参加する5人の労働者に、ストをする理由と、今回のストに対する世間の評価についての意見を聞いた。インタビューは27~28日に書面で行なわれた。

学校非正規労働者
「1年でも10年でも同じ賃金
“共に生きる世の中”作れたら」

サムスン電子サービスの非正規労働者
「財閥改革・積弊清算のろうそくと同様
ストも国民の主権行使と考える」

マクドナルドのバイト労働者
「バイトも職業と認められる世の中
最低賃金1万ウォンにできたら」

お仕事は? それから、労組加入の動機は?

 チョン・ユジョン(42) 江原道(カンウォンド)の特殊学校で特殊教育の対象生徒たちの教育を支援する特殊教育指導士として11年になります。「補助」という理由で人権侵害を受けることが多かったです。2012年に1泊2日の現場学習支援に行くとき学校に超過勤労手当て支給を要請したけれども、「非正規職は超過勤労台帳に名前を書く資格がない」と言われて我慢できませんでした。 娘二人を育てている1人親家庭なのに、2年ごとに雇用不安に苦しめられていてはだめだと思って労組に加入しました。

 キム・ジフン(30) サムスン電子サービスセンターで携帯電話の修理をして9年になります。勤務が終れば修理してあげたお客さんに「あとで会社から電話が行きますから、よい点数をお願いします」という電話をかけるよう指示を受けます。 実績により給与を受取るんですが、実績の圧迫がひどすぎます。でも管理者は固定給をもらっていました。 正当な分け前が社員に戻ってこないと考えて組合に入りました。

 パク・チュンギュ(31) マクドナルドでハンバーガー作り、カウンターで注文を受けるなどの仕事をして4年になります。安定した職場を持つ友人らと私の境遇が比較される時が一番辛かったです。「アルバイト」がこれ以上卑しいことでも一時的なことでもない、絶対になくてはならない一つの「職業」として認められる世の中を作るために労組活動をしています。

「ソウル学校非正規職連帯会議」の会員たちが29日午前、ソウル市鍾路区のソウル市教育庁前で開かれた一斉スト決起大会で「非正規職」という文句を貼った氷を打ち砕いている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

ストの要求事項は何ですか? 文在寅大統領は「1年ほど待ってほしい」とも言っていますが。

 チョン・ユジョン 私たちのような教育公務職は1年働いても10年働いても基本給が同じで、働けば働くほど剥奪感がつのるような賃金体系の下で勤務しています。勤続手当ての引き上げが要求です。教育庁と団体交渉は3年目、賃金交渉は6カ月目になりますが、教育庁では政府の政策のために何もできないと言って一歩も進めないでいます。 ストで不便な思いをする生徒と教師たちもいるだろうけれども、ストライキを通して「共に生きる世の中」とは何かということを学校の構成員に示したかったし、政府にこの問題を解決させるために他の学校の非正規職労働者たちと一緒に叫びたいと思いました。

 キム・ジフン 私たちは朴槿恵、チェ・スンシルゲートにかかわった「サムスン」という積弊の清算と、元請けとの直接交渉を要求しています。 私たちは間接雇用労働者ですが、実際にセンターの社長は労組と交渉するとき何の権限もないんです。「本当の社長」と話をして私たちの問題を自ら解決したいと思ってストライキに参加しました。

 ヤン・ソンヒ(50・学校給食室の調理士) すべての労働者が人間らしい待遇を受ける世の中を、私の子供たち、そしてさらに次の代の子供たちにまで継がせてあげたいと思います。文在寅大統領は少し待ってくれと言いますが、私たちは長い間耐えて待つのに慣れています。充分ではないけれども私たちが労組に加入して何年も闘ってストライキをして、世の中が少しずつ変わりました。文在寅大統領が約束した仁川空港非正規職の正規職化も、仁川空港の労働者が闘っていなかったなら不可能だったろうと思います。

「民主労総が文在寅政権に“ろうそくの請求書”を送っている」という話もありますが。

 パク・チュンギュ ろうそく集会に出てきた人々が単に朴槿恵政権退陣だけを叫んだのではないと考えます。「私はこんなに大変な思いをして生きているのに、社会の指導層と言われる人はなぜあんなことばかりやっているのか」という思いで集まったのだと思います。労働者・女性・障害者など抑えつけられていた人々の発言がろうそく集会で拍手を受けました。今回のストライキもその延長線上にあると考えます。

 キム・ジフン 私もろうそくを手に、イ・ジェヨン(サムスン電子副会長)拘束と朴槿恵退陣を叫びました。積弊を清算して財閥を改革しようとも言いました。あの時私たちがなぜろうそくを掲げたのか、市民も私たちも覚えています。ろうそくは大韓民国国民の主権を行使したものだと言うじゃないですか。ストも大韓民国の国民としての主権行使だと考えます。新政府に対し、サムスンに対し、私たちが最後までちゃんと見ているということを伝えたいのです。

 ヤン・ソンヒ 非正規職労働者がストライキをするのは決して容易ではありません。非正規職労働者がこれまで無視され低賃金を受けてきたのを変えたくてストをするのです。ろうそくは自ら権利を叫び、不当さと不平等に対抗して自ら闘ったのです。誰かが代りにやってくれるのではなく、国民自らが権利を要求して闘うことがろうそくの精神だと思います。

 イ・スングム(56・学校給食室の調理士) 政府は無期契約職も正規職だと言います。私は無期契約職15年目ですが、一度も正規職だと考えたことがありません。公共部門の非正規職対策では無期契約職の問題が抜け落ちていますが、黙っておとなしくしているからといって政府がちゃんとやってくれるとは考えません。国民がろうそくを掲げたのは、以前とは違う、希望のある世の中を作るためだったと思います。希望のために闘うのは当然だと思います。

パク・テウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2017-06-29 21:43

http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/800888.html 訳A.K

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