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性別・産業・企業規模別の「多重賃金格差」…韓国の雇用と賃金の現状

登録:2017-06-23 00:52 修正:2017-06-23 11:42
統計庁の仕事別所得分布分析 
 
20年以上勤続者の月給678万ウォン 
1年未満者は213万ウォン…格差3倍を超え 
金融業578万ウォン、飲食店業173万ウォン  
専門家「所得主導の成長の出発点に」
大統領と同名のムン・ジェインさん(左)など時間制雇用労働者らが22日、ソウル鍾路区「光化門1番街」でアルバイトや雇用主など1万1359人の意見が書かれた「バイトしやすい国のための国民向け意見書」伝達の前に最低賃金保障などを要求している=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 統計庁が22日に出した「賃金労働働き口別所得(報酬)の分布分析」は、韓国の賃金労働者たちの賃金格差が企業規模や性別、勤続年数によってどれだけ大きく広がっているかを如実に物語っている。政府が標榜している「所得主導の成長」はすなわち「賃金主導の成長」とも説明することができる。大企業中心の成長を通じた「落水効果」の代わりに、家計の所得を高めて成長を牽引する「噴水効果」で成長を牽引することが新政府の経済哲学だ。このような脈絡からすれば、今回の統計庁分析は現在の賃金レベルおよび格差から詳しく把握していくという点で意味が大きいと専門家たちはみている。今回の分析は、2015年基準で健康保険、国民年金、公務員・軍人・私学・別定郵便局年金に加入した賃金労働働き口約1500万個を基に行なわれた。性別・年齢・勤続年数・産業によって賃金レベルの差が大幅に広がっている大韓民国の仕事の現住所がそのまま表われた。

月所得区間別働き口の分布=資料:統計庁(2015年1500万件の働き口の税引き前基準, 単位: %) //ハンギョレ新聞社

 まず、性別で見ると、男性と女性の賃金格差は月平均154万ウォン(約15万円)であった。男性の月平均所得(給料)は390万ウォン(約39万円)、女性は236万ウォン(約23万円)だった。女性の賃金は男性の60.5%に止まる。月650万ウォン以上の高賃金の仕事の割合は、男性が12.3%で、女性(3.0%)に比べて4倍以上高かった。一方、月150万ウォン未満の賃金である低賃金の仕事の場合には女性が35.6%で、男性(15.3%)より2倍以上多く分布している。

 勤続期間別賃金レベルを見ると、号俸制に代表される年功給型賃金体系の特性が目立った。20年以上勤続の仕事の月給(税引き前)は678万ウォン(約67万円)に達した。1年未満の短期勤続雇用(月給213万ウォン=約21万円)の3倍以上、1~3年未満の勤続雇用(月給262万ウォン=約26万円)の2倍を超える。10~20年未満の勤続の場合も月511万ウォン(51万円)であり、相対的に高所得を享受していた。統計庁の関係者は「勤続が1年未満の労働者には正規職の新入社員もいるが、期間制・非正規職も多数含まれている可能性が高い」と説明した。勤続1年未満の場合、37.4%が150万ウォン(15万円)未満の月給を受け取っていることが分かった。

 企業規模および産業による違いも大きい。50人未満の中小企業雇用の月給(238万ウォン=23万6千円)は、300人以上の大企業雇用の月給(432万ウォン=42万8千円)の55.1%の水準だ。産業別には、金融・保険業の給料が578万ウォン(57万3千円)で最も高く、宿泊および飲食店業が173万ウォン(17万円)で最も低かった。宿泊・飲食店業の賃金レベルは、金融・保険業の30%に過ぎなかった。特に公共行政、国防や社会保障・行政および社会保障制度は中位所得が392万ウォン(38万8千円)で平均所得に近く、賃金体系が均等であることが分かった。一方、建設業、金融および保険業などは、平均所得と中位所得が月100万ウォン(10万円)以上の差が開き、同じ職種の中でも高所得層への賃金の偏りが大きいと推定される。

賃金労働者の付き平均所得分析 =資料:統計庁(2015年働き口1500万件の税引き前所得基準, 単位:ウォン) )//ハンギョレ新聞社

 年齢別では、50代の給料が386万ウォン(38万円2千円)で最も高かった。続いて40代(383万ウォン=38万円)と30代(319万ウォン=31万6千円)、60歳以上(256万ウォン=25万3千円)、29歳以下(215万ウォン=21万3千円)の順となった。年功賃金による賃金上昇が反映された結果とみられる。特に60歳以上の高齢層の場合、中位所得が152万ウォンで平均所得(256万ウォン)との差が100万ウォン以上に開いた。引退後、低賃金の仕事に就職した低所得層と依然として高賃金を享受する専門職・管理者間の格差が平均所得と中位所得の差で明らかになったのだ。一方、29歳以下は平均所得215万ウォン(21万3千円)、中位所得190万ウォン(18万8千円)で、世代内の賃金レベルが最も均等であることが分かった。

 健康保険や年金情報を通じて分析された今回の統計には、日雇い労働者や小規模の自営業者などの賃金情報は抜けている。これらの資料が補完される場合、賃金の多重格差はさらに溝が深まるものと見られる。統計庁は今後2~4年間、段階的に「所得地図」の空白部分を埋めていく計画だ。統計庁は国税庁など他の機関の協力を得て、事業所得・金融所得・年金などを反映した総合所得データベースを構築する方針だ。韓国労働研究院のペ・ギュシク先任研究委員は「これまで賃金の実態を把握するためには標本調査または企業資料に依存する場合が多かった」とし、「まだ補完する地点は多いが、韓国社会の賃金構造を把握するのに意味のある指標になるだろう」と話した。

ノ・ヒョヌン、パン・ジュノ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/799888.html 韓国語原文入力:2017-06-22 22:14
訳M.C(2367字)

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