登録 : 2017.05.29 23:36 修正 : 2017.05.30 16:36

経総副会長の批判発言で触発され 
文大統領の「経総も当事者」との警告にも 
経総「立場に変化の可能性はない」と正面対決 
 
本質は「財閥と新政府の対立」との分析も 
新政府「二極化の責任企業にある」と認識 
世論の味方につけ財閥責任論で圧迫を試みる

財閥大企業の「社会両極化」責任論の根拠(資料:『なぜ憤るべきなのか』)//ハンギョレ新聞社
 韓国経営者総協会(経総)の「非正規職政策に対する批判」で触発された財閥と新政府の間の非正規職をめぐる対立が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の強力な発言にもかかわらず、収まるどころか広がりを見せている。経総が従来の立場を固守する中、新政府は「財閥責任論」を雇用政策の強力な推進力として掲げており、今後の事態の展開が注目される。

 29日、経総のキム・ドンウク企画広報本部長は「(今月25日のキム・ヨンベ経総副会長の発言は)個人の考えではなく、経総の基本的な立場だという点で、変化の可能性はない」と一蹴した。財閥の集団的利害を代弁する「使用者団体」組織である経総が新政府と“対立”する意思を明確にしたのだ。

 キム副会長は、25日開かれた経総フォーラムで「新政府が仁川(インチョン)空港公社の非正規職政策を発表した後、民間企業でも正社員への転換要求が一気に吹き出しており、産業現場の対立がさらに深刻化している」と発言した。翌日、文大統領は直接「経総も非正規職による社会二極化を作り出した主要当事者の一軸だ。責任感を持ってまず真摯な省察と反省をしなければならない」と警告した。同日、国政企画諮委員会のパク・グァンオン報道官も「(キム副会長の言葉は)限りなく企業的立場の偏狭な発言」だと述べており、キム・ジンピョ国政企画諮問委員長も「(財閥が)圧迫を感じるべき時は感じなければならない」と強調した。

 表面上は今回の対立が「経総対新政府」の問題に見えるが、実際は「財閥対新政府」が対立しているという見方もある。全国経済人連合会が事実上瓦解した状態で、財閥が経総を通じて組織的な声を出しているということだ。経総が「立場に変化の可能性はない」と強硬な姿勢を崩さないのも、そのためという分析だ。

 今回の対立局面で最も大きな関心が集まっているのは、新政府の「財閥責任論」だ。単に機先制圧を狙ったものではなく、今後非正規職をめぐる対立を解決するための重要な考慮事項になりうると見られている。これまで企業は「厳しい経済事情のため、非正規労働者を使わざるを得ない」という言葉を繰り返してきた。過去の政府も「事情が厳しくても、雇用を増やして正規職転換に向けて努力してほしい」と要求する程度にとどまった。

 しかし、新政府は明らかに変わった。国政企画諮問委員会経済分科委員会のある委員はハンギョレとの電話インタビューで、「正社員が行っているものと同じ業務に非正規労働者を使ってはならないというのが政労使委員会で合意した大原則だが、企業がこの原則から逸脱してむやみに契約職労働者を使ってきた従来の誤った慣行から正さなければならない」と話した。

 これはチャン・ハソン大統領府政策室長やキム・サンジョ公正取引委員長候補者など、新政府の主要メンバーらの認識とも一致する。チャン・ハソン室長は普段から「労働市場の不平等や二極化の責任は大企業にある。ここ20年間、雇用減らし、非正規職をむやみに増やして財閥企業や株主、既得権層だけ恩恵を享受してきた」と批判してきた。チャン室長が書いた『なぜ憤るべきなのか』によると、去年15年間、国民総所得の中で家計所得の比重は1990年の71.6%から2015年の62.0%へと減っている反面、企業所得の比重は同じ期間で17.0%から24.6%に増えた。新政府の経済チームが雇用と非正規職問題に対する診断と処方において「財閥責任論」を展開する根拠になっている。

 非正規雇用が蔓延して事実上、飽和状態に達したうえ、「雇用無き成長」の溝が深っており、大多数の国民がもうこれ以上耐えられない“心情的臨界点”を迎えたという判断も、新政府が財閥責任論を展開する背景になっている。所得不平等や二極化が作り出した社会的な憤りと民心を雇用政策の成功に向けた動力として活用し、大企業の抵抗を突破して圧迫するということだ。

チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-05-29 20:12
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/796700.html 訳H.J(1967字)

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