中国発PM2.5?黄砂?自動車の排気ガス?火力発電所?
ソウルの空気の質に影響を与える要因を探すために、環境団体の緑色連合が市民約130人とともに、直接空気の質を測定した結果、自動車が大気汚染の主犯だという分析が出た。市民たちが先月14~15日、居住地近くの105カ所に総浮遊粒子状物質(TSP)と二酸化窒素の濃度を測定するキットを設置した後、緑色連合がこれを分析した結果だ。総浮遊粒子状物質は、粒子の直径が100マイクロメートル(1マイクロメートル=100万分の1メートル)以下のものを総称する物質で、総浮遊粒子状物質が多ければ、PM2.5(微小粉塵)も多いと推定することができる。二酸化窒素は化石燃料が燃焼する過程で発生する物質で、大気中の水蒸気・オゾン・アンモニアなどと結合し、微小粉塵を作る。二つとも空気の質を判断することができる主な指標だ。
緑色連合の「PM2.5、押しのけよう!」プロジェクトの分析結果によると、多くの測定地域で休日の日曜日(14日)に比べ車両移動の多い月曜日(15日)に二酸化窒素測定値が高かった。「休日・平日」間の測定値の差が最も大きかった城東区(ソンドング)の「玉水(オクス)駅6番出口前」は、日曜日は17ppb、月曜日は55.4ppbで38.4ppbの差を示した。ppbは10億分の1を意味し、17ppbは空気量10億立方メートルの中に二酸化窒素が17立方メートルほどあるという意味だ。世界保健機構の二酸化窒素勧告基準値は40ppbだ。城北区(ソンブック)吉音(キルム)ニュータウンバス停(日曜日40.3ppb、月曜日73.1ppb)や江東区(カンドング)松坡(ソンパ)駅4番出口(日曜日44.1ppb、月曜日75.6ppb)などが、「休日・平日」間の測定値の差が大きかった。いずれも交通量が多いところだった。二酸化窒素はガソリンなどの化石燃料の燃焼時に多量に発生する毒性物質であり、呼吸器疾患に大きな影響を及ぼす。
緑色連合とともに今回の研究を進めた大田大学環境工学科のキム・ソンテ教授は「ソウルの場合、火力発電所や工場のような施設が多くないため、自動車の排気ガスが二酸化窒素量に及ぼす影響が絶対的」だとし、「首都圏でPM2.5を下げるためには何より自動車の使用を減らす方法を考えなければならない」と指摘した。ただ、総浮遊粒子状物質の場合、日曜日は平均値203.1マイクログラム/立方メートル(1立方メートル当たり203.1マイクログラム)が月曜日の平均値87.7マイクログラム/立方メートルより高かったが、キム教授は「月曜日(15日)に風が吹き、粉塵が散らばったためと見られる」と話した。
市民測定値とソウル市の公式測定値の間の差も、今回の調査で明らかになった。市民たちが調査した先月14日、二酸化窒素の測定平均値は19.3ppb、ソウル市の測定値は15ppbだった。15日は市民の測定平均値は30.3ppb、ソウル市の測定値は22ppbだった。市民たちが設置した測定器はほとんど地上1~2メートルの高さで、人の呼吸器の高さと近いが、ソウル市の測定器の大半は高層ビルに位置しているためと見られる。「ソウル市の微小粉塵測定機の運営現況関連資料」によると、25区のうち21区の微小粉塵測定所の位置が地上10メートルを上回る高層にある。
ソウル陽川区(ヤンチョング)のマンションで娘とともに今回のプロジェクトに参加したアン・オクスンさん(48)は「PM2.5がひどいため、アレルギーと鼻炎薬を断つことができない」とし、「市民たちが直接公共交通機関を利用しようとする努力だけでなく、政府レベルでもPM2.5に対する中長期的な対策が必要だ」と話した。緑色連合は「市民たちが漠然と空気の質の心配ばかりするのを超え、空気の質の改善策について理解を促すために今回のプロジェクトを企画した」、「来年は京畿道など首都圏地域へと範囲を広げて空気の質測定プロジェクトを進める予定」と話した。