文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日、 粒子状物質(PM2.5、PM10)を減らすための“応急措置”として、30年以上経ち老朽化した石炭火力発電所8カ所の稼動を6月の1カ月間中止するよう指示した。同日、ソウル陽川区(ヤンチョング)ウンジョン小学校を訪問し、「PM2.5、PM10を正しく知るための教室」を参観した文大統領は「ひとまず、大統領の指示でできることを今日指示した」とし、老朽化した火力発電所の閉鎖方針を明らかにした。これは文大統領が就任後に下した「第3号業務指示」で、老朽化した火力発電所の閉鎖などのPM2.5、PM10の低減対策は、文大統領が候補時代に運営した公約紹介サイト(文在寅1番街)で最も人気のある政策だった。
韓国で30年以上稼働している石炭火力発電所は、全羅南道麗水(ヨス)や江原道江陵(カンヌン)、忠清南道舒川(ソチョン)・保寧(ボリョン)、慶尚南道固城(コソン)にそれぞれ2カ所ずつ、全国に合わせて10基があるが、電力需給状況を考慮して麗水にある発電所2基は今回の一時的な稼働中止対象から除外された。稼動期間が32~44年であるこれらの老朽化した発電所10カ所は、文大統領の任期中にすべて閉鎖される予定だ。残りの30年未満の石炭火力発電所49基は来年から電力非需期(3~6月)の4カ月間、交替で稼動を中止する予定だ。文大統領は選挙運動期間中、PM2.5、PM10を減らすために老朽化した火力発電所に対する対策とともに、建設中の火力発電所のうち工程率が10%未満のものは原点から再検討するという公約を掲げた。
文大統領はまた、同日、小学生たちに「PM2.5、PM10のため、体育の授業をするのが困難な場合が多い。簡易体育館がない学校は簡易体育館を作り、簡易体育館しかない学校には正式の体育館に転換するよう、室内体育の授業環境づくりを進める。教室や体育館に空気清浄装置を取り付けられるようにする」と約束した。文大統領はまた、600億ウォン(約60億円)の財政を投入し、全国の約1万1千校の小中高校に簡易PM2.5、PM10測定器を設置すると付け加えた。本人が直接PM2.5、PM10の低減の現況を管理するとして、キム・スヒョン大統領府社会首席秘書官に対策機構の設置を指示した。
キム・スヒョン社会首席秘書官は同日、記者団に「火力発電所8基の稼動中止で(低減される微細粉塵は)約1~2%」だとし、「その程度で稼動を中止すべきなのかと思われるかもしれないが、PM2.5、PM10問題は日常に及ぼす影響が大きいため、政府にできる措置をなるべく早く実行しようとしている」と説明した。キム首席は「液化天然ガス(LNG)(発電所)の追加稼動で費用が発生し、0.2%程度の料金の引き上げ要因があると思われるが、これは韓国電力が内部的に処理できる軽微なレベル」だと説明した。