「米国のやつらが笑うのを見て、自分が恥ずかしくなりました」
26日午後5時頃、慶尚北道星州郡(ソンジュグン)草田面(チョジョンミョン)韶成里(ソソンリ)会館前の道路。住民らの前に立ったパク・ヒジュ金泉市(キムチョンシ)議員(無所属)が、涙を流しながら、語った。「THAAD配備反対金泉市民対策委員会」の共同委員長を務めている彼は同日未明、THAAD(高高度防衛ミサイル)のエックスバンドレーダーと発射台などを積んだトレーラーが旧ロッテスカイヒル星州カントリークラブ(ゴルフ場)に進入するのを阻もうとして、公務執行妨害容疑で連行された。亀尾(クミ)警察署で取り調べを受けた彼は、同日午後4時に釈放された直後、韶成里で開かれた集会に駆け付けた。
「私たちはこの理不尽な世の中で生きていますが、私たちの子供たちは恥ずかしくない、誇らしい国で暮らせるようにしなければなりません。また力を振り絞って必ずTHAADを撃退しましょう」。パク議員が涙声で住民たちに呼びかけた。彼は集会が終わってから、ハンギョレの記者に「8カ月間戦ってきたのに、THAAD部品を積んだ車両26台が入るのにたった5分しかかからなかった。トレーラーを運転する黒人の在韓米軍が歯を見せて笑うのを見てはらわたが煮えくり返る思いだった」と話した。
在韓米軍は同日未明、4時43分と6時50分の2回にわたりエックスバンドレーダーと発射砲台など、THAAD核心部品を積んだトレーラーを星州ゴルフ場に搬入した。1回目の搬入が行われた際には、円仏教教務とカトリック司祭、住民など約40人がゴルフ場に通じる要所である韶成里会館前の道路を占拠したが、警察によって引きずり出された。2回目に部品が運び込まれた時には、警察兵力によって住民約80人が会館の前庭に押し出された状態で、トレーラーが通った。同日、在韓米軍は星州ゴルフ場にTHAADの核心部品の搬入を終えたものと見られる。
警察は同日午前0時頃から韶成里に行く全ての道路を統制した。警察の動きが尋常でないという噂が住民たちの間に広まった。金泉市と星州住民らは韶成里に行こうとしたが、随所で警察に阻まれた。警察は同日、投入された人員が4000人と発表したが、住民たちはそれよりはるかに多くの警察が韶成里周辺にいたと主張した。同日、警察との衝突の過程で、住民10人以上が負傷した。
韶成里婦女会のイム・スンブン会長(63)は「警察に連れ出されて、私たちのすぐ隣をTHAAD部品を積んだ車両が通り過ぎるのを見ながら、胸をかきむしるしかなかった。韓国警察は、どうして他の国のために自国民をこんなふうに踏みにじるのか。悔しくてたまらない」と言いながら、涙を流した。
同日午前9時、住民らは韶成里会館の前庭で記者会見を開き、在韓米軍と韓国国防部、警察を強く批判した。星州住民のパク・スギュさん(54)は「THAAD配備は韓国と米国の合意書もない状態で住民の同意、国会の論議さえもなく、強行された違法(な措置)だ。直ちに撤去することを要求する。大統領選挙前にTHAAD配備を既成事実化しようとしている。安保を政治に利用した韓米当局を糾弾する」と声を高めた。
THAAD配備撤回星州闘争委員会、THAAD配備反対金泉市民対策委員会、円仏教星州聖地守護非常対策委員会は同日午後2時から、韶成里会館前の道路でTHAAD反対集会を開き、星州ゴルフ場前100メートル前まで行進した。また同日夕方8時にも同じ場所でろうそく集会を開いた。
星州闘争委員会のキム・チュンファン共同委員長は「大統領選挙期間にTHAADを電撃的に配備する米国が果たして友好国なのか。韓国は米国の植民地なのか」と強く批判した。彼はまた、「現在、外交安保の最高責任者である大統領もいない状態で、大統領選挙後にTHAAD配備問題を先送りしてもいいものを、どうして国防部が先頭に立って売国奴のような真似をするのか理解できない」と話した。