登録 : 2017.03.11 03:15 修正 : 2017.03.11 06:53

弾劾事由3つは「証拠不足」などで認めず  
国政壟断の許容は大統領の重大な憲法違反 
サムスンからお金の収賄容疑は一切判断せず 
「国民の信任裏切ったのは容認できない重大な法違反行為」

憲法裁判所は今月10日午前11時から大審判廷で朴槿恵大統領の弾劾審判の判決を言い渡した=共同取材団//ハンギョレ新聞社
 憲法裁判所は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追事由のうち、たった一つだけが職務執行において憲法と法律を違反したと判断した。しかし、この一つだけでも朴大統領の罷免を正当化できるほど重大な法違反だと決定した。

 憲法裁は89ページ分量の「2016憲ナ朴槿恵大統領弾劾」決定文で、5つだった弾劾訴追事由のうち、収賄授受など刑事法違反を除き、▽私人による国政介入の許容と大統領権限の乱用▽公務員の任免権の乱用▽言論の自由侵害▽生命権の保護義務と職責の誠実遂行義務の違反で再構成して判断した。このうち公務員の任免権の乱用、言論の自由侵害、生命権の保護義務などの訴追事由を憲法裁は認めなかった。憲法裁は「文化体育観光部のノ・テガン局長とチン・ジェス課長が被請求人(朴大統領)の指示によって問責人事の被害を被ったことなどは認められる」としながらも、「その理由がチェ・ソウォン(チェ・スンシル)の私益私欲の追求の妨げになったことを認められる証拠がない」と明らかにした。

 セウォル号惨事関連の訴追事由についても「被請求人の対応が不十分で不適切な面があるとしても、直ちに生命権の保護義務を違反したと認めるのは難しい。職務を誠実に遂行する義務も、原則的に司法的判断を下すの難しい」として、認めなかった。憲法裁の事情に詳しい法曹界の関係者は「不足した証拠を探すためには、証人を追加で呼び、証拠の提出を要求しなければならないが、それでは宣告が遅くならざるを得ない。他にはっきりした罷免の事由があるため、迅速な審理に重点を置いたようだ」と話した。

 憲法裁は「私人による国政介入の許容と大統領権限の乱用」になってようやく憲法と法律を違反したとの判断を示した。憲法裁は、朴大統領がキム・ジョン元文化体育観光部第2次官など、チェ・スンシル氏が推薦した人物を公職に任命し、彼らがチェ氏の利権追求を助ける役割を果たしたと認めた。また、朴大統領がチェ氏とチェ氏の知人らの会社の支援を大手企業に要求した事実も確認した。憲法裁はこのような行為が「チェ氏の利益のために大統領としての地位と権限を乱用したものとして、公正な職務遂行とは言えない」とし、「憲法第7条第1項(公益実現の義務)、国家公務員法第59条(親切・公正の義務)、公職者倫理法第2条の2(利害衝突防止の義務)第3項、腐敗防止及び国民権益委員会の設置と運営に関する法律第2条第4号(腐敗行為)のカ目、第7条(公職者の清廉義務)を違反した」と明らかにした。企業にミル・Kスポーツ財団への資金支援を要求したことなどについても、憲法裁は「該当企業の財産権(憲法第23条)と企業経営の自由(憲法第15条)を侵害した」と釘を刺した。朴大統領がチェ氏に大統領の日程・外交・人事など職務上秘密文書が「流出されるよう指示または放置したことも、国家公務員法第60条の秘密厳守の義務を違反した」と憲法裁は判断した。

傍聴客たちが10日午前、ソウル鍾路区齋洞の憲法裁判所の大審判廷で、イ・ジョンミ憲法裁判所所長権限代行が「朴槿恵大統領に対する国会の弾劾審判請求」に対する決定文を読みあげるのを見守っている共同取材団//ハンギョレ新聞社
 このように朴大統領の憲法と法律違反を確認した憲法裁は、朴大統領が罷免されるほどの重大な法違反をしたとの結論を下した。憲法裁は「被請求人がチェ・ソウォンの国政介入を許可して、国民から委任された権限を乱用し、チェ氏などの私益の追求を助ける一方で、このような事実を徹底的に隠蔽したのは、代議民主制の原理と法治主義の精神を損なう行為として、大統領としての公益の実現の義務を重大に違反した」と明らかにした。さらに「憲法と法律違反行為に対して、国民の信頼を回復しようと努力する代わりに、国民を相手に真実性のない謝罪を行い、国民との約束も守らず、憲法を守る意思が見られなかった」と締めくくった。これを踏まえて、憲法裁は「被請求人の憲法と法律違反行為は、国民の信任を裏切った行為として、憲法守護の観点から容認できない重大な違法行為」だとし、「被請求人を罷免することで得られる憲法守護の利益が大統領の罷免に伴う国家的損失を圧倒するほど大きい」と指摘した。

 ただし、憲法裁は、弾劾訴追の事由だった朴大統領の収賄など刑事法違反については判断を示さなかった。パク・ヨンス特別検察官チームは今月6日、朴大統領がチェ氏と共謀して、サムスングループの経営権継承などを助けてほしいという不正な請託を受け、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長などからミル・Kスポーツ財団を通じて204億ウォン(約20億4千万円)の賄賂を受け取ったと明らかにした。しかし、憲法裁はこのような行為を収賄や職権乱用による権利行使の妨害、強要罪など、刑法のいかなる条項を違反したかではなく、憲法違反に対する判断だけを示した。また、朴大統領と共犯関係のチョン・ホソン元大統領府秘書官が公務上機密漏洩の疑いで裁判を受けており、憲法裁も朴大統領が大統領府の秘密文書をチェ氏に流出したと認めたが、刑法ではない国家公務員法違反を適用して(判断を)避けた。慶煕大学法科大学院のチョン・テホ教授は「憲法裁が迅速な判断のため、収賄を除いたものとみられる」と話した。刑事裁判の確定判決が憲法裁の決定と異なる“汚点”を残さないため、収賄容疑は判断しなかったという分析もある。憲法裁は弾劾審判の初めから刑事法違反についてはあまり重きを置かなかったという。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-03-10 22:47
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/786069.html 訳H.J(2485字)

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