10日、憲法裁判所の弾劾認容決定で大統領職から罷免された朴槿恵(パク・クネ)前大統領が事実上の“沈黙デモ”に乗り出した。憲法と法律を違反して国政を破綻させた過ちに対して謝罪するどころか、民心の収拾と大統合に向けた承服宣言さえ発表しなかった。憲法裁の審判の結果に対する“不満”越えて、“不服”の意志を示しているものと見られる。
朴前大統領側関係者は同日、「朴前大統領が立場やメッセージを出す計画はない」と話した。朴前大統領側は弾劾案が棄却または却下される場合を備えて、朴前大統領が直接国民の前に出て「国論統合」を訴える案を検討してきた。朴前大統領側はこれまでミル・Kスポーツ財団の設立や募金は統治行為であり、チェ・スンシル氏の国政壟断は認識しておらず、直接個人の私利私欲を追求したことがないという点などを挙げ、「弾劾の棄却」を強調してきた。最近は国会の弾劾訴追案議決の過程が適法ではないとして、「弾劾却下」の論理も掲げた。実際、朴前大統領側の内部では、憲法裁裁判官8人の弾劾認容・棄却の見通しを5対3、または4対4程度と予想し、弾劾棄却の可能性が高いと推定していた。しかし、このような期待を覆して、憲法裁判所が裁判官8人全員一致で認容を決定したことに対し、朴前大統領と参謀たちは大きな衝撃を受けたという。
朴前大統領は同日、判決後、大統領府官邸でハン・グァンオク秘書室長などに会ったが、「申し上げることがない」とほとんど口を開かなかったという。同日、親朴系のチョ・ウォンジン自由韓国党議員も朴元大統領に会うために大統領府を訪れたが、朴前大統領が面談を拒否したとされる。参謀たちの間では「憲法裁が政治的判決を下した」との糾弾が相次いだ。
朴前大統領の沈黙が支持者たちに向けた「黙示的不服扇動」という分析もある。朴前大統領側の法律代理人団はこれまで国会の弾劾訴追手続きが不当であり、弾劾訴追事由も認められないという立場を持続的に表明してきた。また憲裁審判の過程が不公正であるとして、不満を示した。憲法裁の判決結果に事実上“不服”するものと言える。実際、同日の弾劾反対集会で2人が死亡し、取材陣に対する無差別の暴行事件が発生するなど、事態が極端な方向に突き進んでいるにもかかわらず、朴前大統領は支持者たちに“自制”を呼びかけなかった。朴前大統領が“弾劾不服”運動を暗黙的に煽っているのではないかと批判されるのも、そのためだ。正義党のハン・チャンミン代弁人は論評を出して「朴前大統領が口を固く閉ざしているのは、前職大統領として国民にできる最後の道理をもわきまえない行為だ。国政を破綻させた張本人としてあまりにも無責任だ」とし、「このような行動に対して、国民は憲法裁の判決に不服するものではないかと懸念している。さらに大きな混乱をもたらす過程」だと批判した。
「一般市民」として検察の強制捜査に直面した朴前大統領が弾劾反対団体の組織的な不服運動と支持層の同情論、親朴系国会議員たちの政治的支援などをもとに“場外世論戦”に乗り出すことも予想されている。これに対して、朴前大統領側関係者は「すでに憲法裁に提出した最終弁論書で『今後いかなる状況がもたらされても、分裂した国民の心を統合し、現在の混乱を早期に克服するため最善を尽くしていく』と明らかにした」と話した。