韓米当局が6日、THAAD(高高度防衛ミサイル)体系の一部を搬入したことにより、在韓米軍のTHAAD配備が急激に進められそうだ。
現在、米軍が持ち込んだのはTHAAD体系のうち迎撃ミサイルを発射する車両型発射台2基を含めた一部の装備だ。具体的な日程は知らされていないが、THAADが実際に運用されるためには、この体系の最も重要部分である「Xバンドレーダー」(AN/TPY-2)と迎撃ミサイル、発射統制装置などが必要となるが、これら追加装備とこれを運用する米軍兵力ももうすぐ韓国に到着するものとみられる。
国防部は先月28日、京畿道南楊州(ナムヤンジュ)の軍用地(6.7万平方メートル)とロッテ商事が所有する星州(ソンジュ)ゴルフ場(約148万平方メートル)を交換する方式で敷地を引き継いだ。韓米両国は先週から在韓米軍地位協定(SOFA)によって敷地を米軍に供与するための協議を行っている。韓米当局が参加するSOFA合同委員会が交渉開始を宣言し、これによってSOFA施設区域分科i委員会と環境分科委員会が敷地の供与のための交渉および環境アセスメント(影響評価)協議を進めている。韓米両国はこれらの分科委員会で、星州ゴルフ場敷地の施設と環境の問題がないと判断されれば、再びSOFA合同委を開き、敷地供与の承認手続きに進むことになる。国防部関係者はこの手続きがすべて終わり、在韓米軍に星州ゴルフ場の敷地が引き渡される時点は、およそ4月だろうと予想した。
在韓米軍側は、現在の基本設計のために星州ゴルフ場の地形と既存の施設の実測作業も行っていることが分かった。米軍がTHAAD配備に向けた基本設計作業を行うと、これをもとに環境アセスメントが実施される。国防部はすでに昨年12月20日、環境アセスメント業者を選定し委託を進めている。国防部当局者は「業者をあらかじめ選定して環境アセスメントのための事前作業をしてきたため、5~6月頃になれば環境アセスメントが終了すると予想している」と話した。
国防部は住民公聴会を開かない予定だと伝えられた。国防部当局者は「THAAD配備と関連し、環境アセスメント対象敷地は15万平方メートルだ。環境アセスメント法によれば、33万平方メートル以下の敷地については住民公聴会を開かなくてよい」と述べた。しかし、住民公聴会を省略する場合、住民の反発が予想される。
環境アセスメントが終われば、在韓米軍が直接THAAD配備に向けた敷地整備工事をすることになる。概ねTHAAD配備のために敷地を選び、必要な施設などを建設する作業だが、基盤施設が整えられたゴルフ場であり、長い時間はかからないものと予想される。
THAAD配備がいつ完了するかは即断できない。これまで国防部は「年内に配備されるだろう」という立場だった。しかし、ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官は昨年11月、「8~10カ月かかるだろう」と公開的に予想したことがある。この計算によると、7~9月に配備される可能性がある。