本文に移動

特検、サムスンの「見返り証拠」補強…朴大統領の収賄容疑固めの布石に

登録:2017-02-13 22:25 修正:2017-02-14 06:24
[ニュース分析]イ・ジェヨン副会長令状再請求秒読みの背景 
 
大統領府、公取委・金融委がサムスングループに各種の便宜を提供した疑い 
「捜査期間制限」特検チーム、朴大統領の賄賂容疑を固める布石
賄賂供与などの疑いのあるサムスン電子のイ・ジェヨン副会長が調査を受けるため13日午前、ソウル大峙洞の特別検察官事務室に向かっている。イ副会長の特検への出頭は先月12日の最初の召喚調査以来32日ぶり、19日に拘束令状が棄却されて以来25日ぶりだ=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 パク・ヨンス特別検察官チームが13日、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する賄賂供与の疑いでサムスン電子のイ・ジェヨン副会長(49)を1カ月ぶりに再び呼んで調査したのは、15日にイ副会長の拘束令状を再請求しようとする手順のためだ。歴代の検察による財閥総帥の捜査で拘束令状を再請求するのは非常に異例だ。特検チームがこのように強気に出るのは、賄賂罪の対価性を立証する追加証拠がいくつか確保されたうえ、朴槿恵大統領の収賄の疑いを固めようという意志が込められているものと解釈される。

 特検チームなどの話を総合すると、特検チームは先月16日、イ副会長の拘束令状を初めて請求する際にイ副会長側がチェ・スンシル氏(61・拘束起訴)に金銭的利益を提供した見返りに「国民年金のサムスン物産・第一毛織合併賛成」を請託した疑いだけを拘束令状の犯罪事実に含めた。朴大統領とイ副会長が単独で会って交わした対話の内容を直接確認するのは難しいが、サムスンの合併前後に彼らが黙示的な請託関係にあったという情況証拠が十分だと判断したのだ。これに対してイ副会長側は、サムスン合併後にチェ氏に対する支援が行われており対価性がなく、イ副会長が朴大統領に直接請託した証拠もないと反論した。イ副会長の令状審査をした裁判所は、対価関係についての証拠が不十分で拘束の必要性はないとし、イ副会長に軍配をあげた。

 特検チームは先月、イ副会長の拘束令状が棄却されるとすぐに再請求する方針を立てた。特検チームは今月初め、早々とイ副会長の拘束令状を再請求しようとしたが、追加捜査で朴大統領とイ副会長の対価関係を立証する情況証拠を大挙確保し、再請求の時期を遅らせた。

 特検チームは、サムスン合併後イ副会長の経営権継承の完成のためにサムスングループ内の主要懸案として浮上した新規循環出資の解消と中間金融持株会社の導入過程を集中的に掘り返した。イ副会長側がこの二つの問題を解決する時期が、チェ氏の娘のチョン・ユラ氏(21)の乗馬訓練費を支援した時点(2015年8月~2016年10月)と重なっていたからだ。イ副会長側がチェ氏に金銭的利益を提供した対価関係を立証する情況を、経営権継承作業全般に拡大したのだ。特検チームは、イ副会長側が朴大統領側に頼み、公正取引委員会と金融委員会から各種の便宜の提供を受け、公取委事務官のパソコンから発見した「外圧日誌」をはじめこの二つの機関に直接ロビーをした直接・間接的な物証も多数確保したという。

 また、特検チームはイ副会長側が昨年9~10月にチェ氏の国政壟断疑惑がメディアに発覚した後も、虚偽契約を交わすやり方でチェ氏に対する経済的支援を約束していた事実を把握した。特検チームは、このような追加情況をイ副会長の拘束令状に含める計画だ。

 イ副会長の拘束令状が裁判所で再び棄却されるリスク負担を抱えてまで特検チームが再請求しようとするのは、政務的な計算も含まれていると見られる。特検チームは黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が捜査期間延長を承認しない場合、今月28日に捜査を終えなければならない。憲法裁判所の朴大統領弾劾審判の決定前に捜査を終える場合、特検チームは朴大統領を起訴できず、事件を検察に渡さなければならない。これに先立ち、検察特別捜査本部は賄賂罪の判断に留保的な立場を示しただけに、検察が朴大統領を収賄容疑で起訴するという保障がない。もし特検チームが再請求したイ副会長の拘束令状が裁判所から発行されれば、朴大統領の収賄容疑が濃くなっている分、検察は朴大統領を収賄容疑で起訴せざるを得ない。特検のイ副会長に対する令状再請求は、朴大統領を賄賂罪で処罰しようとする強い意志の表明だといえる。

キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/782486.html 韓国語原文入力:2017-02-13 21:16
訳M.C(1905字)

関連記事