今週後半を目途に、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する事情聴取を推進しているパク・ヨンス特別検察官チームが、朴大統領の事情聴取と共に「反憲法的行為」と反発する大統領府の家宅捜索をいかに突破するかに注目が集まっている。特検チームは、早ければ今週、ウ・ビョンウ元民政首席も召喚する方針で、今週が特検捜査の最大の分岐点になる見込みだ。
特検のイ・ギュチョル代弁人は5日、定例記者会見で「大統領府に対する家宅捜索は、見せつけるためのものではなく、捜査上必須の手続きである証拠収集の必要によるもの」だとし、「任意提出の形などさまざまな可能性を念頭に置いている」と明らかにした。特検チームは令状に大統領府内の家宅捜索場所と必要な書類目録を具体的に明示しているため、その資料さえ確保できれば、任意提出でも構わないという立場だ。
特検は同日、大統領府が朴大統領を令状に「賄賂被疑者」と明示したのは反憲法的行為という主張に対しても、詳細に反論した。イ代弁人は「検察特別捜査本部で大統領を被疑者として起訴しており、(大統領の在職中)訴追禁止となっているのも、大統領に対する捜査を禁止するという意味ではない」と明らかにした。さらに、「家宅捜索令状に被疑者として明示されたのは大統領だけでなく、多数の人物だ。そのような点を考慮すると、大統領府がほとんど家宅捜索の対象になるはずだったが、特検はこれを最小化した。(制限的家宅捜索とは程遠いという)大統領府の指摘は不適切である」と述べた。
特検チームは、家宅捜索の是非にかかわらず、大統領に対する事情聴取の日程は予定通り推進する方針だ。時期は今月9~10日になるとみられる。朴大統領側は、警護上の理由で大統領府への訪問調査を要請しているとされるが、特検チームは“第3の場所”を希望しているという。(事情聴取の)場所として挙げられているのは、大統領府の安全家屋(安家)と大統領府の敷地外にある錬武館、三清洞(サムチョンドン)の金融研修院、昌成洞(チャンソンドン)の政府総合庁舎別館などだ。
特検チームは最近、ウ・ビョンウ元民政首席関連の捜査に力を入れており、ウ元首席の召喚も早ければ今週中に行われると見られる。特検チームは同日、ウ元首席の息子の「義務警察での優遇疑惑」と関連し、ペク・スンソク大田(テジョン)警察庁警衛(元ソウル警察庁付属室長)を今月3日に続き、同日も召喚した。今月4日にはウ元首席の家族会社である「チョンガン」にイ・ウファン画伯の絵など美術品を販売した学古齋ギャラリーのウ・チャンギュ代表を召喚調査した。
特検チームは「ブラックリスト」の作成・指示の疑いで拘束された金淇春(キム・ギチュン)元秘書室長とチョ・ユンソン前長官を今週中に裁判にかける予定だ。特検チームは先月21日、彼らを職権乱用などの疑いで拘束し、拘束期間が満了する今月9日までに、彼らを起訴する予定だ。