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全経連、社会貢献基金2億円以上を保守右翼団体に支援

登録:2017-02-06 01:13 修正:2017-02-06 14:13
パク・ヨンソン議員、全経連の社会協力会計通帳の取引内容を単独で入手 
父母連合・国民行動・韓国経済など3年間61回にわたり2億5千万円を支援 
2013年、政権初期から「ホワイトリスト」を作成し継続的に求めた可能性も 
大統領府の“官製デモ”組織化の証拠…全経連副会長「積極的支援」を指示 
4大グループの全経連社会協力会計関連講座への送金額(資料:パク・ヨンソン共に民主党議員室)//ハンギョレ新聞社

 大統領府が保守右翼団体のリスト(ホワイトリスト)を作成し、全国経済人連合会(全経連)と財閥企業に支援を要求した疑いが、特検の捜査で続々と明らかになっている中、全経連が朴槿恵(パク・クネ)政権発足直後の2013年から2015年までの3年間で、38の保守右翼団体と個人に対し、合わせて計61回にわたり約25億ウォン(約2億4300万円)を直接支援した事実が5日、確認された。

 このような事実は、共に民主党のパク・ヨンソン議員が金融監督当局から提出を受けた全経連の「社会協力会計」関連の銀行口座の2013~2016年入出金明細で明らかになった。社会協力会計は社会貢献事業支援のため、会員企業から会費を集めて運用する資金として、保守右翼団体の支援にも活用された。社会協力会計の資金取引はメインバンクの口座を通じてのみ行われるため、入出金明細は支援団体と規模を把握できる決定的な手がかりと言える。特検が大統領府の「ホワイトリスト」捜査を本格化して以来、全経連の具体的な支援の内訳が確認されたのは初めてだ。

2013~2015年全経連による補修右翼団体の支援//ハンギョレ新聞社

 全経連は保守右翼団体に一件当たり少なくは200万~300万ウォンから数千万ウォンないし数億ウォンずつ頻繁に支援したことが分かった。支援対象の中には大統領府が支援を要求したという国民行動本部、父母連合、愛国団体総協議会、枯葉剤戦友会がすべて含まれている。全経連が国や地方自治体が支援しているとの理由で、大統領府の支援要求に難色を示したとされる韓国自由総連盟、在郷軍人会、在郷警友会の中では、在郷警友会だけが支援を受けた。また、朴槿恵-チェ・スンシル国政壟断及び財閥との政経癒着事態の発端となったミル・Kスポーツ財団や保守団体の親心奉仕団、海兵隊戦友会、時代精神、自由青年連合、反共団体の北朝鮮民主化ネットワーク、北朝鮮民主化青年学生フォーラム、開かれた北朝鮮なども支援対象に名を連ねている。

 年度別にみると、2013年には父母連合、在郷警友会、海兵隊戦友会など10の団体に1回ずつ6億ウォン(約5900万円)が支給された。また、2014年には36回にわたり27の団体に8億2千万ウォン(約8千万円)、2015年は15回にわたり14団体に10億8千万ウォン(約1億1千万円)が支援され、毎年支援規模が増えた。2016年には支援が急に中断されたが、年始に起きた父母連合に対する不法支援事件が影響を及ぼしたものとみられる。

 団体別にみると、全経連の外郭団体として経済民主化反対の先頭に立ってきた自由経済院が8億600万ウォン(約8400万円)で最も多く、父母連合が2億1500万ウォン(約2100万円)、Kスポーツ財団が2億ウォン(約1900万円)、国民行動本部が1億6500万ウォン(約1600万円)、保守性向の知識人の集まりである韓国先進化フォーラムが1億6千万ウォン(約1560万円)、ミル財団が1億3900万ウォン(約1350万円)、保守性向のインターネット・メディアの「バイト」が1億450万ウォン(約1千万円)などで、その後を続いた。父母連合に対する支援はベテル福音宣教福祉財団の名義の借名口座を通じて行われた。支援回数は父母連合が7回で最も多く、次は国民行動本部とバイトがそれぞれ4回、保守メディアである「メディアウォッチ」(メディアシルクHJ)が3回でその後を続いた。言論界ではバイト1億450万ウォン、保守経済誌の韓国経済新聞が6千万ウォン(約590万円)、メディアウォッチ5千万ウォン(約490万円)、インターネットメディアであるオールインコリア3500万ウォン(約340万円)、経済風月500万ウォン(約49万円)などだ。

 全経連の支援を受けた団体の多くは、朴槿恵大統領の弾劾に反対しており、ろうそく集会に対抗する太極旗愛国集会を主導している。以前にも歴史教科書国定化や経済民主化反対、統合進歩党解体の要求関連集会に積極的に参加し、大統領府が全経連の資金を動員して“官製デモ”を事実上組織化したという指摘を避けられなくなった。また、全経連の保守右翼団体に対する支援は社会協力会計の趣旨に真っ向から反するものだ。全経連のある幹部は「2012年までは全経連が純粋な社会貢献のボランティア団体や文化・芸術・学術団体だけを支援したが、2013年に朴槿恵政権が発足し、イ・スンチョル常勤副会長が就任してから、保守右翼団体に対する支援が広範囲にわたり行われた」とし、「イ副会長は幹部会議で『保守団体支援事業は非常にいいことであり、今後さらに積極的に(支援対象を)掘り出すよう』指示までした」と話した。

 全経連が支援した保守右翼団体が2014年1月に大統領府が支援を要求したとされる15団体よりもさらに多く、支援時期も2013年まで遡ることから、朴槿恵政権発足初年度からホワイトリストが作成され、支援要求も一度ではなく、数回にわたって行われた可能性が高い。また、全経連の3年間の総支援額が、大統領府が2014年1月に要求したとされる30億ウォン(約2億9千万円)と全経連と4大グループ会合を通じて要求したとされる70億ウォン(約6億9千万円)に及ばないことから、財閥が全経連を通さずに直接支援した可能性もあると見られている。

 これに対し、全経連は「大統領府の要求で保守右翼団体を支援したことは確かだ」と認めながらも、「具体的な支援団体や支援額は公表することはできない」と明らかにした。全経連はまた、韓国経済新聞やメディアウォッチなどのマスコミに対する支援の理由についても、答弁を拒否した。メディアウォッチは「全経連から雑誌購読料を受け取った」と釈明したが、メディアウォッチの年間購読料は5万ウォンに過ぎない。

クァク・ジョンス先任記者、イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-02-06 05:02

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/781411.html 訳H.J(2721字)

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