本文に移動

韓国大邱・慶尚北道で働く移住労働者の半数以上は危険な作業場に

登録:2017-02-01 23:52 修正:2017-02-02 07:57
大邱・慶尚北道移住労働者団体が調査 
一日10時間以上の長時間労働 
3人に1人は作業中に負傷しても治療費自費負担
ある製造業者で外国人労働者が仕事をしている。このラインで働く人々全員が外国人だ=業者提供写真//ハンギョレ新聞社

 大邱(テグ)・慶尚北道地域で外国人移住労働者の半数以上が危険な作業場で仕事をして、3人に1人は作業で負傷しても治療費を自己負担していることが調査で分かった。

 「大邱・慶尚北道移住労働者人権・労働権連帯会議」は1日「最近、大邱・慶尚北道地域で仕事をする移住労働者378人を相手にアンケート調査したところ、55.1%が勤務中に危険を感じると答えた」と明らかにした。移住労働者たちは主な危険要因として「危険な機械」(22%)、「作業場の悪臭と騒音」(22%)、「力仕事が多い」(22%)、「電気または火災の危険」(8%)を挙げた。彼らは一日の労働時間を問う質問に、半数以上が10時間以上と答えた。このうち「12時間」(23.8%)が最も多く、次いで「10時間」(19%)「11時間」(5.8%)「13時間」(2.3%)の順だった。

 こうした危険な作業場で長時間激務に苦しむ移住労働者は、29.7%が「作業中に負傷した経験がある」と打ち明けた。だが、負傷した移住労働者のうち37.9%は自費で治療を受けたと答えた。会社が治療費を支払ったという応答は35%で、27.2%は労災保険で処理したと答えた。労災保険で処理したのも、半数程度は会社の支援を受けずに移住労働者自身が相談所や労務士の支援を受けたことが分かった。

 登録、未登録を問わず移住労働者が仕事をして負傷した時、大邱市が運営する大邱医療院で無料で治療を受けられるが、こうした内容を知っていると答えた労働者(43.9%)より、知らないと答えた労働者(47.4%)の方が多かった。苦労の末に大邱医療院を訪れた移住労働者も、39%は言葉が通じずに困難を感じたと明らかにした。

 大邱移住女性人権センターのカン・ヘスク代表は「大邱医療院が移住労働者の治療を拒否するケースが多い。予算を増やして移住労働者が安心して治療を受けられるようにしなければならない。また、韓国語が不慣れで困難を経験する移住労働者のために通訳システムを備える必要がある」と話した。大邱・慶尚北道移住労働者人権・労働権連帯会議は、調査結果に基づいて9日午後7時に大邱市中区の大邱人権教育センターで討論会を開く。

 韓国で暮らす登録移住民は、移住労働者と結婚移住民を合わせて概略203万人であり、このうち大邱には約2万6000人、慶尚北道には約5万1300人が暮らしている。だが、登録移住民の20%を若干上回る未登録移住民が作業現場で労働しているものの、正確な人数は把握できていない。

 大邱・慶尚北道移住労働者人権・労働権連帯会議関係者は「危険な作業場で一日12時間以上の殺人的な労働をしている移住労働者の大部分が未登録労働者だ。彼らは労働法の死角地帯に立たされていて、病気に罹っても治療を受けるための健康保険も適用されない。彼らが人間らしい生活ができるために最低限のセーフティネットでも政府が作らなければならない」と話した。

ク・テソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/780839.html 韓国語原文入力:2017-02-01 14:55
訳J.S(1411字)

関連記事