登録 : 2017.01.23 22:33 修正 : 2017.01.28 06:32

日本と異なり、韓国政府は控訴・上告 
控訴審で「国は差別解消のため努力した」と主張 
賠償額も292万円・389万円から削減

2016年6月20日、全羅南道高興の国立小鹿島病院でハンセン病患者の強制堕胎と精管手術に対する特別の裁判が行われ、傍聴席を埋め尽くした出席者が裁判を見守っている=高興/キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社
 韓国政府を相手取り強制断種・堕胎の損害賠償訴訟6件のうち5件が最高裁判所の判決を待っている。下級審の判決は、いずれも国の責任は認めたが、損害賠償額にバラつきがあり、最高裁の判断が注目される。

 日本は2006年から日帝強制占領期(日本の植民地時代)に強制隔離されて人権侵害を受けた韓国のハンセン病患者らの補償を開始した。ところが、韓国では政府が日帝強制占領期のハンセン病患者の隔離政策を維持したため、解放後も強制収容されたハンセン病患者の被害補償問題が残っていた。「ハンセン人被害事件の真相究明や被害者の生活支援などに関する法律」が2007年に制定されたが、国の謝罪はなく、補償も十分ではないという限界があった。政府は2012年から2016年の法改正前までは基礎生活受給者や次上位階層のハンセン病患者だけを対象に毎月15万ウォン(約1万5千円)を支給してきたが、そのため、人権侵害を受けたにもかかわらず、支援金を受給できない場合もあった。

第1次裁判の原告のうち3人が死亡し、現在原告は539人となった//ハンギョレ新聞社
 日本政府に対する訴訟を進めたハンセン病患者権弁護団は、韓国政府の責任と補償の問題にも注目するようになった。団長を務めているパク・ヨンリプ弁護士は「日本や台湾のように一括賠償を求めたが、受け入れられなかった。そのため、国の不法行為を認めてもらおうという趣旨で強制断種・堕胎の訴訟を提起した」と説明した。ハンセン病は完治可能で、伝染力も強くないにもかかわらず、社会的差別と偏見のため、1990年前後までハンセン病患者は子供をつくれないように強制断種・堕胎手術を余儀なくされた。

 2011年10月17日から2015年11月13日までハンセン病患者539人が国に対して損害賠償訴訟を提起した。初の判決は2014年4月29日、光州(クァンジュ)地裁順天(スンチョン)支所の民事2部(裁判長ユ・ヨングン)で出された。裁判所は「国が正当な法律上の根拠なしにハンセン病患者らに精管切除手術と妊娠中絶手術をしたのは幸福追求権、プライバシーの自由などを侵害し、人間としての尊厳と価値を毀損したもの」だとして、断種手術について3000万ウォン(約292万円)、中絶手術については4000万ウォン(約389万円)に加え、それぞれの利子を賠償するよう判決した。以後の控訴審を担当した光州高裁と4件のソウル中央地裁判決も結論は一致した。

 日本政府とは異なり、韓国政府は控訴と上告を続けた。昨年9月23日、ソウル高裁民事30部(裁判長カン・ヨンス)は国の責任を認めながらも、損害賠償額を2000万ウォン(約195万円)に削減した。賠償額の削減理由について、裁判所は「ハンセン病患者に対する偏見と差別解消に向けた国の努力と男女平等の原則を酌量した」と明らかにした。この判決後に開かれたソウル高裁の判決3件もすべて損害賠償額を2000万ウォンに合わせた。

 現在、大法院(最高裁)では異なる損害賠償額を宣告した2審判決らが最終判断を待っている。ハンセン病患者の損害賠償額を決める大法院は、これまで「国の財政負担」などを掲げて、過去事問題と関連した事件の賠償額を削ってきた前例がある。チョ・ヨンソン弁護士は「裁判所が多くない賠償金まで削ってハンセン病患者らを侮辱している。ハンセン病患者らの大半が高齢であるだけに、最高裁の賢明かつ速やかな判断を期待する」と話した。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-01-23 18:42
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/779939.html 訳H.J(1556字)

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue