登録 : 2016.10.26 22:48 修正 : 2016.10.30 07:44

法の前に立った「ベトナム戦争における民間人虐殺」

ソウル高等裁判所民事30部の裁判官と弁護人などが、今年6月20日、全羅南道高興にある国立小鹿島の病院でハンセン病患者に対する強制的な人工中絶と精管手術をめぐる特別裁判の後、ハンセン病患者の遺体を解剖していた検死室で現場検証を行っている=高興/共同取材写真//ハンギョレ新聞社
 今年6月20日、全羅南道高興(コフン)郡にある国立小鹿島(ソロクト)病院で特別法廷が開かれた。ハンセン病患者139人が国家に対して起こした損害賠償請求訴訟の2審裁判所が、ハンセン病患者の強制精管切除手術と人工中絶手術被害の実態を直接聴くために設けた法廷だった。病院の設立(1916年)以来100年間で、裁判官が訪れるのは初めてだったため、ハンセン病患者たちの長年の人権闘争における象徴的な事件として受け止められた。この訴訟をはじめ、6件のハンセン病患者集団訴訟が政府の度重なる上訴により遅れているが、2000年代以前には訴訟すらも考えられなかった。ハンセン病患者に加えられた国家暴力は、真っ暗な法の死角地帯に置かれており、法曹人もこの問題に対する認識が全くなかった。

 2001年、一筋の光が差し込んだ。同年5月、熊本地方裁判所では「(日本)国のハンセン病患者隔離政策は違憲」という判決が下された。これによって「らい予防法」が廃止され、日本政府は「ハンセン病補償法」(「ハンセン病療養所入所者等 に対する補償金の支給等に関する法律」)を制定した。この訴訟を主導した徳田靖之護士は、韓国のハンセン病患者たちも日帝強制占領期(日本の植民地時代)に強制的に隔離・収容されたことを知り、韓国の弁護士と接触して被害者を捜した。国家暴力の被害者を自国民と非自国民に分けてはならないだけでなく、特に非自国民に対しては自分も加害者の位置に立つしかないと思ったからだ。彼に刺激を受けて韓国でも50人を超える弁護人団が構成された。

小鹿島ハンセン病患者訴訟助けた徳田弁護士ら 
自国民・非自国民に分けられないと判断 
韓日政府に対する訴訟を積極的に支援

 2003年、ついに小鹿島の病院の患者117人が日本政府に補償を申請したが、拒否されると、再び東京地方裁判所に訴訟を起こした。訴訟の費用はすべて日本の弁護士たちが負担した。2005年10月に判決が言い渡された1審訴訟では敗訴したが、2006年2月、日本の国会で補償法の改正案が可決され、日帝強制占領期韓国のハンセン病患者の被害者たちも、結局、補償を受けられるようになった。現在韓国で行われている訴訟は、解放以後の韓国政府に責任を問うものだ。ところが、徳田弁護士が韓国を訪れてから、日本政府に補償を申請するまでに、2年という時間がかかった事情は何だろうか。

 「初めて徳田弁護士が小鹿島を訪れた時、そこのハンセン病患者はみんな(彼を)あざ笑いました。一度も法の保護を受けたことがない一方、日帝強制占領期に日本人から受けた苦痛をはっきりと憶えていたからです。心を開き、心を尽くして話し合い、連帯感を育んで、一人またひとりと原告を集めて行きました」。ハンセン病患者の訴訟に主導的に参加しているチョ・ヨンソン弁護士は「加害国の法曹人が先に頭を下げて、粘り強く待ち続けたからこそ、韓国のハンセン病患者たちが法と向き合うことができた」と振り返った。

 今年5月、三菱重工業に動員され、強制労働を強いられた勤労挺身隊ハルモニ(おばあさん)たちの日本の法廷闘争を記録した『法廷に刻んだ真実』が出版された。この本には1999年から10年にわたる裁判の間、原告らの航空券代と滞在費用の一切を支援してきた「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」と、無料で弁護を引き受けた共同弁護人団の活動内容が紹介されている。三菱に賠償を求める同訴訟は2008年11月、日本の最高裁判所で最終的に敗訴したが、原爆被害の部分について日本政府を相手にした別途の訴訟はまだ続いている。韓国の法廷でも三菱を相手に数件の損害賠償請求訴訟が進められている。韓国での訴訟代理人を務めているチャン・ワンイク弁護士は、刑事事件で訴えられたク・スジョン氏の弁護人団も率いている。チャン弁護士は「良心的な日本の法曹人たちが見せてくれた姿が、私たちがベトナムの民間人被害者に近づく上で多くのことを示唆している」と話した。

アン・ヨンチュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2016-10-25 05:01
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/767149.html 訳H.J(1890字)

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