チェ・スンシル氏が国定歴史教科書問題にも介入した情況が特検の捜査で明らかになった。
11日、特検関係者は「チェ氏は2015年10月13日、大統領府首席秘書官会議を控えて作成された大統領の“お言葉”資料をあらかじめ受け取り修正した」とし、「この中に国定教科書と関連した内容があった」と明らかにした。特検は今月5日、チェ氏の姪チャン・シホ氏が提出したチェ氏所有のタブレットPCを分析する過程で該当内容を確認した。
大統領の“お言葉”資料で「大韓民国に対する確固たる歴史観と自負心を育む努力をしなければ、私たちは文化的にも歴史的にも他国の支配を受けかねない」という内容をチェ氏が自ら修正し、追加していたことが確認された。当初の“お言葉”資料の表現がどうだったのかは明らかにされていない。
当時、米国訪問を控えて大統領府首席秘書官会議を開いた朴大統領は「国定教科書の導入が必要である」と主張し、その根拠としてチェ氏が修正した部分をそのまま読み上げた。歴史観を一つに統一した国定教科書を導入しなければ、文化・歴史的に植民地状態に陥りかねないという主張だった。これについてマスコミや市民団体は「全く筋の通らない荒唐無稽な発言」だと批判した。朴大統領は同日、「いま、わが国と国民経済が難しい(状況にある)。国と国民のために、政界が不要な論争で国論分裂をもたらすのではなく、各界の意見を反映して正しい歴史教科書が作られるように(協力)していただきたい」と語った。チェ氏はそれ以外にも“お言葉”資料の様々な部分に修正を加えた。イ・ギュチョル特検代弁人は「当時、文書はチョン・ホソン元秘書官が事前にチェ氏に渡したが、修正した部分が特に多かったとチョン元秘書官が記憶していた」と述べた。
これに先立ち、チェ氏は、朴槿恵(パク・クネ)政権の3大国政基調作りにも関与したという。朴大統領が(大統領)当選者時代の2013年初め、チェ氏と相談して「文化隆盛、経済復興、国民幸福」という国政基調を決定したということだ。朴大統領は当時、軍事政権時代に作られた「国民教育憲章」を参照しており、チェ氏に「創造文化にしようか、文化創造にしようか」などと意見を求めたという。
一方、特検チームが新たに確保したタブレットPCには、チェ氏がサムスン電子専務のファン・ソンス乗馬協会副会長などと直接連絡を取り合い、資金支援に関連する協議などを行った電子メールが残っていることがわかった。サムスンは2015年8月にチェ氏側と220億ウォン(約21億3千万円)台の支援契約を結び実際に80億ウォン(7億7千万円)程度を支援した。イ・ギュチョル特検代弁人は同日、タブレットPCの実物を公開し、「タブレットの連絡先の名前がチェ・ソウォンで、電子メールのアカウントもチェ氏が使っていたアドレスだ。チェ氏のものに間違いない」と明らかにした。